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新 堕落性の構造 47

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

14. 不信の根源は神への不信

◉払えど消えぬ猜疑心
 K子さん(34歳)は二人の子持ち。結婚して10年。結婚してから5年目に、夫がある女性と浮気しているのが発覚しました。ちょっとしたことから気づいたのですが、夫に迫っても初めはのらりくらり。最後にやっと夫は罪を告白し、ほんの行きがかりでそうなったと言い訳をします。それでも夫は、今後絶対そういうことはしないからと謝ったので、人情的になって許してあげたといいます。しかしK子さんには夫が本当に変わったという実感がないので、また何かあるのではないかという猜疑(さいぎ)心は消えず、不信感に悩まされています。

 人間は、一度人から裏切られると、人を信じられなくなります。

 これは、個人や家族のレベルだけでなく、民族や国家間でもそうです。日本で総理大臣が替わるたびに、韓国に行って日本の韓国に対する植民地支配をおわびしますが、それによって韓国の日本に対する恨みと不信は解けてはいません。

 日本がアジア諸国に対して経済協力をし、平和外交に努めても、アジア諸国民の心には、日本はやがて軍事大国になって再びアジアを侵略するのではないかという、不安と不信が根強く残っています。

 ユダヤ人とパレスチナ人との闘争は、4千年前の旧約聖書の時代から続いており、まだ終結していません。ボスニアのイスラム教徒とキリスト教徒との争い、北アイルランドのカトリックとプロテスタントとの争いもみな、不信感から出発したものです。

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 次回は、「不信の起源を訪ねれば」をお届けします。


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