2022.08.25 22:00
新 堕落性の構造 42
現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
阿部 正寿・著
12. 責任転嫁が恨みを生む
◉恨みは許すことで解放
太平洋戦争が終わったとき、中国を侵略した日本軍に中国人が復讐(ふくしゅう)しようとするのを知って、故蒋介石総統は「恨みに報いるに徳を以てせよ」という布告を出したので、中国大陸に残っていた数百万人の日本人は無事帰国することができました。これは普通の人にはできないことです。日本人は故蒋総統の仁徳に深く感謝しなければなりません。
さらに人類の救世主として来られたイエス・キリストは十字架につけられたとき、自分の手首と足首が釘で木に打たれるその激痛の中で、「父よ、彼らをお許しください。彼らは何をしているのか、分からずにいるのです」と祈られました。そこには恨みなどというものはいっさいなく、逆に自分の生命を奪おうとする者たちを許してやってくださいと神様にお願いしているのです。
これが、人間の恨みを乗り越える極致ではないでしょうか? もしも私たちもイエス・キリストと同じように自分を迫害する者のために、「神様、許してあげてください」とお祈りできたなら、恨みなどというものは消えてしまい、自分も解放されてしまうでしょう。そうすれば加害者は神様が裁いてくださるので、自分が復讐する必要はありません。もし、自分が間違っていて被害を受けるのなら、それを悔い改めるべきです。そうすれば迫害の役目は終わったのですからそれは消えていきます。恨みは早く解かなければ身を滅ぼすのです。
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次回は、「うわさの恐ろしさ」をお届けします。