2018.06.06 17:00
家族の絆づくり 18
幸せを実現するのは、個人主義? 家庭主義?
ナビゲーター:阿部 美樹
「自己決定権」という考え方
少子化による影響が深刻化する中、「子供たちに将来の結婚や出産、家庭について考えさせる教育が必要」との声が高まっています。しかし一方で、「国や学校教育が介入すべきではない」という声もあります。
90年代から「自己決定権」という概念が盛んに主張され、「結婚する・しない、産む・産まないは個人の選択の自由に委ねられるべきである」という考え方が広がりました。
自己決定権の名の下に「夫婦別姓」が主張され、中高生の「援助交際」までもが各自の決定に委ねようと正当化される傾向があります。自己決定権という概念は、極端な「個人主義」の発想であり、家族の秩序や倫理を否定する思想です。
写真はイメージです
個人主義と家庭主義
個人主義という思想は、人間の基本単位を個人として捉え、個人の考え・好み・発想が全ての判断基準・評価基準になるというものです。合理的な考え方のようですが、自己中心的な発想になりやすく、関係性を無視した孤独な人生観といえるのではないでしょうか。
生命の誕生は個人から出発するのではなく、夫婦の関係を通して生命を宿し、親子の関係を結びながら誕生するように、家庭の中における愛から出発するものです。
“人の間”と書いて「人間」と呼ぶように、「家庭主義」こそ、幸せな人生を実現する最も大切な考え方であるといえます。