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「性解放理論」を超えて(36)
ポスト構造主義とは~ダーウィニズムとの類似性

 人類は今、神とサタンの総力戦の中に生きています。
 「統一思想」すなわち「神主義」「頭翼思想」によって生きるのか、神の言(ことば)を否定する思想を選択するのか…。
 台頭する性解放理論を克服し、神の創造理想と真の家庭理想実現のための思想的覚醒を促す「『性解放理論』を超えて」を毎週月曜日(予定)にお届けします。

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大谷明史・著

(光言社・刊『「性解放理論」を超えて』より)

五 ポスト構造主義を超えて
(一)ポスト構造主義とは

2)ダーウィニズムとの類似性

意味の不変性の否定
 キャサリン・ベルジーによれば、「ポスト構造主義が提唱する言語は、不確実なことを問うようにうながす役に立つのであって、最終的な答えを与える役に立つのではない(※6)」、「[ポスト構造主義は]意味に挑戦し、それをいつも変更している(※7)」と言います。これは、生物は絶えず突然変異によって変化しており、不変なる種というものはあり得ないというダーウィニズムと発想が同じです。

人間は記号の運搬役である
 大城信哉(しんや)は「文化が記号の集まりならば、人間はその記号の運搬役である(※8)」と言います。これは正に現代の代表的な進化論者であるリチャード・ドーキンスの「人間は遺伝子の乗り物である」という主張とそっくりです。

⑶ 精神分析の影響

 自らフロイトの後継者と称したラカンは、ポスト構造主義に精神分析を注入しました。「私は他者によって与えられた虚像にすぎない」、「われわれは言語によって構築された人工的世界に住んでいる」という観点は、正に構造主義的に再解釈された精神分析の立場です。

⑷「統一思想」から見たポスト構造主義

 以上見てきたように、ポスト構造主義はマルクス主義、ダーウィニズム、フロイトの精神分析の土壌の下で生まれたものであることが分かります。「統一思想」は、神の存在を否定する唯物論のマルクス主義、神の創造を否定するダーウィニズム、神の言(戒め、規範)を否定するフロイト主義とは相容(い)れません。そして「統一思想」は、それらの思想に対する批判と代案を提示してきました。したがってポスト構造主義は、「統一思想」から見て、誤った土壌の上に築かれた思想でしかないのです。そして性解放、同性愛、フェミニズムなどは、そのようなポスト構造主義を理論的支柱としているのです。

 以下、代表的なポスト構造主義者のミシェル・フーコー(Michel Foucault)、ジャック・デリダ(Jacques Derrida)、ジャック・ラカン(Jacques Lacan)を取り上げて、その思想の背景を明らかにし、その虚構性を示します。

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※6 キャサリン・ベルジー、折島正司(まさし)訳『ポスト構造主義』岩波書店、2003(164
※7 同上(173)
※8 大城信哉著・小野功生(こうせい)監修『図解雑学・ポスト構造主義』ナツメ社、2006(51

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 次回は、「ミシェル・フーコー①~系譜学、考古学/エピステーメー」をお届けします。


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