2022.06.01 17:00
家族の絆づくり 221
植物や花を通して幸福感を高める
ナビゲーター:阿部 美樹
植物や花の神秘的な魅力
春から夏にかけて美しい花が咲き、私たちを喜ばせてくれます。
家の庭にも季節に応じた花が咲くと心がうれしくなったり、癒やされたりします。好きな植物や花を育てる「ガーデニング」にはさまざまなメリットがあります。
そのメリットを一言で表現すれば、「五感を刺激して幸福感を高める」ということです。
見る、触る、聴く、嗅ぐ、味わうなど五感を刺激してくれます。
カラーセラピーの観点から言えば、緑色は安心感と安らぎを与える色です。見ているだけでも心身のバランスを整え、リラックスさせる効果があります。
花もさまざまな種類があると同時に、同じ種類でも一つ一つ色合いが違い、大きさが違い、花の咲き方が違います。その個性を観察すると、多くの驚きと感動があり、神秘的な魅力があります。
また、自然公園や森に行くと爽やかさを感じたり、心が落ち着いたりしますが、それは植物が発する「フィトンチッド」と呼ばれる香り成分が深く関係しています。
フィトンチッドは、周囲の菌や細菌などの微生物を殺し浄化する働きがあります。
さらに、フィトンチッドは動物や昆虫の死骸や腐食した植物の臭いを抑え、空気を浄化し、森の中を清浄に保っています。
フィトンチッドは人間の精神を安定させ、呼吸を正常に整え、不眠を解消したり、肝機能を改善したりするなど、心身のリラクセーションにも効果があります。
育てることで心が豊かになる
植物を育てるということは、植物を心配し、世話をし、面倒を見てあげることですから、それを通して「慈しみの心」や「優しい心」が育まれます。
相手への思いやりを育む身近な体験です。
このような実践を通して、自分の存在が何かの役に立っている、誰かの役に立っているという価値を感じ、人生の充実感を得ることでしょう。
育てることで、芽が出た、葉が開いた、花が咲いた、実を結んだという様子を見ることで達成感や喜びを得ることもできます。
このように、美しい花を見て気持ちが明るくなったり、花の香りを嗅ぐことで穏やかになったり、土や植物に触れて癒やされる効果が期待されます。
これは、脳の活性化にもつながり、お年寄りなどは認知症を防ぐことにもつながることでしょう。
お世話するためには土や植物、水を運んだり、立ったり座ったりする動作を繰り返すことになり、運動不足の解消にもなります。
このような効果に着目したのが「園芸療法」です。
ガーデニングは医療や福祉にも実際に取り入れられています。
植物や花を通して幸福感を高めましょう。