2022.05.20 22:00
【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!
第88回 寿命を延ばす秘訣はありますか?
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は、「寿命を延ばす秘訣(ひけつ)はありますか?」という質問です。
第2次世界大戦当時まで、日本人の平均寿命は50歳以下でした。その頃から80年近くがたち、平均寿命は30歳余りも延びて80歳台に達しました。
最大の要因は、感染症の犠牲になることが減ったことです。
第2次世界大戦以前は、感染症による乳幼児の死亡率が高かったことや、栄養不足による免疫力の低い人が多いという状況でした。
現在は栄養状態の改善により、免疫力を高いレベルで維持しています。
しかし、かつては「飢餓」で健康を害していたけれども、現代は「飽食」によってカロリー摂取量が上がり、血糖値を十分に下げることができない人が多くなるなど、糖尿病が増えました。
さらには、動脈硬化による免疫力の低下が進行し、感染症にかかりやすい状況になりました。
1935年、米国コーネル大学は「カロリー制限したラットは、寿命が延びることを発見した」と発表しました。
1990年代、東京都老人総合研究所では、ラット実験で「免疫機能が一番高かったのは、運動させてカロリー制限したラットだった」と発表しました。
2017年、米国メリーランド州の国立老化研究所とウィスコンシン大学は、アカゲザルを使った栄養と寿命の研究を共同で行い、「カロリー制限は効果あり」と発表しました。
このように、カロリー制限することは健康と長寿に有効です。それは、老化や病気の原因である活性酸素を抑制する酵素が増えるからです。
食事量を制限し、カロリー摂取量に気を付けることと同時に、たんぱく質をしっかり取るなど、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
また、正しい食事法は「何を食べるかではなく、食べない時間を増やすことである」という話もあります。
睡眠時間も含めて1日16時間、空腹の時間をつくることで、「オートファジー」にスイッチが入り、あらゆる病気が治る可能性があるといわれています。
オートファジーとは、古くなったり壊れたりした細胞内のタンパク質を集めて分解し、新しいタンパク質をつくる機能です。
細胞が生まれ変われば、不要な物や老廃物が一掃され、細胞や組織・器官の機能が活性化し、若々しい体になります。
『「空腹」こそ最強のクスリ』(医学博士:青木厚 著/アスコム)という書籍では、「長寿遺伝子をオンにするのは空腹感である」「空腹感で病気の元凶である体毒がデトックス(排毒)される」と説明し、1日1食を実践する有名人が数多く紹介されていました。
昔から「腹八分目に医者いらず」という言葉があります。
さらには「腹六分目は老いを忘れる」「腹四分目で神に近づく」という言葉もあります。
このように小食であることと、よくかむことや水分を取ることも大切です。
よくかむことで、脳が活性化し、食べ物の消化がよくなります。
また、虫歯予防やがん予防、老化の予防にも効果があります。
水分をしっかり取ることで老廃物の排泄が促進され、サラサラな血液をスムーズに全身に行き渡らせることができます。
皆さんからの質問をお待ちしています。
「人生相談Q&A」で、ほぼ5分でお答えいたします。
また、お会いしましょう!