2022.04.26 17:00
シリーズ・「宗教」を読み解く 215
第121回 超宗教フォーラム
「世界平和における宗教と文化の使命」について討論を交わす
ナビゲーター:石丸 志信
IAPD-Japan(平和と開発のための宗教者協議会)は、4月11日に第121回「超宗教フォーラム」を開催し、東京・千代田区の会場に講師、パネリストを迎えて全国各所をオンラインで結び「世界平和における宗教と文化の使命」について議論を交わした。
今回のフォーラムは、4月上旬、UPF(天宙平和連合)の各圏域で開催している国際指導者会議(ILC)2022シリーズの一環で、UPF-Japan・IAPDセッションとして企画されたもの。
神道、仏教、イスラーム、キリスト教代表の宗教者平和大使、有識者ら約60人が参加した。
超宗教フォーラムは祈りで始まる。
開会に当たり、奈良泰秀・天ノ岩座神宮永代宮司が祝詞を奏上。続いて、近藤誠一・元文化庁長官が「世界平和における宗教と文化の使命〜ウクライナ危機を改めて考える〜」と題して基調講演を行った。
「現代人類が直面する諸問題の大半は、人間自身が引き起こしたもの。近代文明は、『主権国家と経済成長』、つまり人間の物質的欲望の充足とその人間の思い上がりが全ての活動の基礎となっている」
近藤氏は歴史を総括しながらこう指摘した。
そして、「果てしない『欲望』と『思い上がり』を抑制する新しい『座標軸』を見いだす時が今である。そのために人類の英知が結集した『人文知』(先人の知恵と宇宙・自然の法則)から学ぼう」と主張。課題は、近代文明と脳の進化のミスマッチにあると指摘した。
近藤氏は、人間の情動や行動をつかさどるHPA系(視床下部-下垂体-副腎系)に対して、教養や共感力、協調性、倫理を扱う大脳新皮質前頭葉は遅れて発達するが、これからは共感力などを育てる宗教と文化芸術の力に注目すべきであるとし、「新たな『座標軸』の構築に向けて専門領域を越えた対話協力の場を形成していくことを期待する」と結んだ。
基調講演を受けて、イスラームと仏教の立場から二人のパネリストがコメントし質疑応答が交わされた。
最後に、国連改革に宗教上院の設置を提案した、2000年8月の世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)総会での文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁の基調講演文を参加者と共有し、第121回「超宗教フォーラム」は閉会となった。
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