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霊界の実相と地上生活(33)
相対性原理から見たカインとアベル

 36家庭の李相軒(イ・サンホン)先生(1914~1997)が霊界のさまざまな事実を証しされたメッセージ、「霊界の実相と地上生活【霊界の様相編】」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。

世界平和統一家庭連合

(光言社刊『霊界の実相と地上生活』より)

第一部 霊界の実相と地上生活
第三章 原理から見た霊界の暮らし
十六 相対性原理から見たカインとアベル

李相軒先生

カインとアベルの関係
 相対性原理の根本は、既に何度か論じました。今、相対性原理から見たカインとアベルの関係が、霊界でどのように体系化されているかを明らかにしようと思います。カインがアベルを愛し、アベルに尊敬されることによって、二人が相対基準を合わせるようになるとき、神様は、カインにもアベルと全く同じ愛の恩賜を下さろうとしました。

 ところがカインはアベルを愛することより、むしろアベルの前に長子としての資格を誇ろうとし、またアベルも驕慢(きょうまん)になったのです。これがアベルをカインが憎む動機になり、神様の摂理の中で、また一つの悲運の歴史の一章を残す結果を招くようになりました。神様は、汚点を残したこの歴史の一コマを再蕩減(とうげん)するために、もう一度条件を立てるようにすることで、人類が長成期完成級まで復帰した型を備えたという立場で、救世主を迎える段階にまで摂理を導いてこられたのです。

 それゆえ相対性原理によって、主体にも対象にも、互いに与えようとする心が発露することにより、愛で一つになるようになったのであり、カインとアベルの関係において、本来堕落がなければ、殺したいほど憎いというような感情は生じなかったのです。互いに仕えながら尊敬し、ために生きようとする力が強く作用したことでしょう。

天上でのカイン・アベルの関係
 天上にもカインとアベルの関係がはっきりとあります。目上の人と目下の人、階級が高い人と階級が低い人、神様の近くで愛をたくさん受ける人と少なく受ける人など、あらゆる階層のカインとアベルの関係が多くあります。

 例えば、目上の人と目下の人の間で、目上の人が目下の人を無視しながら、大声で命令するよりは、「今何をしているのですか?」と温情の心をもって尋ねるのです。

 それに対しても目下の人が「何かお手伝いしましょうか?」と言いながら、ほほえみの中で互いに心が行き交うのです。

 また、目下の人が目上の人に要求することがあるとき、「私は今このようなことが気掛かりですが、答えていただけますか?」と尋ねると、目上の人は、大変な権威意識をもって、年上の体面を考えて答えるのではなく、まるで兄弟間の対話のように細やかに答えるのです。

 つけ加えると、神様は人間の主体・対象にだけ相対性原理を適用したのではありません。すべての存在の階層においても互いに「ため」に生き、互いに与えようとする愛の心を下さったのです。ところが、この関係が壊れることで、カイン・アベルの関係が生じるようになりました。地上が複雑になったので、霊界はさらに複雑になったのです。

 天国の理想は、まず地上でなされなければならず、そのような基盤の上で、天上が整理されるのです。

 対象のために生きようとする相対性原理の根本を再び整理して考え、それを実現する地上の暮らしになることを願うものです。

199789日)

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 次回は、「天国」をお届けします。


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