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家族の絆づくり 216
話し方が流ちょうでも話し上手とは限らない!

ナビゲーター:阿部 美樹

相手に合わせる話し方
 心地よい会話をするためには、相手の話を「よく聞くこと」と同時に、「よく話すこと」も同じように大切です。

 話が上手な人とは、何か専門的な知識や情報を次から次へと流ちょうに話し続けられる人ではありません。「相手に合わせて話ができる人」です。

 会話は1人で行うものではなく、相手がいてこそ成り立ちます。どんなに正しい情報や有益な知識を伝えても、相手に関心がなかったり、聞こうという気持ちがなかったりしたら、その会話は無意味なことになります。

 そこで、「相手に合わせる話し方」のポイントを三つ紹介します。

 第1のポイントは、「話す量を調節する」ことです。

 情報を多く持っている人ほどついつい情報を出し過ぎる傾向があります。
 そもそも、相手がその話に興味があるのか、どの程度の知識があるのかなどを見極めることが必要です。

 相手が求めていないのに話し過ぎる人は、「自分がその話をしたい」という自分が動機です。
 相手の反応を見極められる人は、「相手にその話をしてあげたい」という動機を持っています。それは、「相手のために」という愛の動機といえます。

話にリズムをつける!
 第2のポイントは、「話の間を取る」ことです。

 話を聞いた相手が情報を整理するためには時間が必要です。特に大切な話をしたときは、納得して次に進めるために「1秒から3秒程度の間を取る」ことが有効です。

 単調な話は聞き漏らしたり、心に残らなかったりするものです。音楽でも印象的なメロディーやリズムは心に残るように、話す声の抑揚や強弱、間を取るなどの工夫があればよいでしょう。
 相手の反応を見ながら盛り込むことができる人こそ話が上手な人です。

 第3のポイントは、「質問をする」ことです。

 「〇〇って、知っていますか?」「〇〇したことがありますか?」「私は〇〇だと思いますが、いかがですか?」など、相手に質問を投げかけながら話をすることです。

 一方的にずっと話し続けると、話し手の考えを押し付けてしまう可能性があります。質問は、話が一方的にならずに、双方向でキャッチボールすることができるように導きます。そうすれば、相手も会話に引き込まれていくことでしょう。

 相手の返事によって、相手の興味や理解度も分かるようになります。
 大勢の前での講演でも、「皆さんはどのように考えますか?」と質問を投げかけて少し間を置くだけで、聴衆は各自が思い巡らして考えます。すると、次の言葉に関心を持って乗り出して聞き入ることにもなるでしょう。

 このように、相手に合わせる話し方を工夫してみましょう。