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家族の絆づくり 215
あなたは時間を主管していますか?

ナビゲーター:阿部 美樹

主管とは「管理すること」「活用すること」
 「時間主管」という言葉を聞くと、「約束の時間を守る」「決められた集合時間に遅れない」というイメージだけを持つ場合があります。

 しかし「主管する」という言葉には、主導的な立場で「管理すること」と「活用すること」という意味があります。
 その観点では、単に時間を守るという「時間管理」をすればよいのではなく、何に時間を活用するかを考えて、判断、選択、決定する「時間活用」が必要です。

 限られた時間を何に使うかということは、有意義な人生を歩むためには非常に重要な決定です。
 その時、「何をするか」という選択と同時に、「何をしないか」という判断と決断も必要になります。

 一生懸命やっていることでも、よく考えてみると、「やらなくてもいいのでは」という判断になることもあります。

 あなたの人生は、時間を有効に活用されていますか?

 自分自身の生活スタイルを見直して、何にどのくらいの時間を活用しているかという棚卸しをしてみましょう。

▲「アイゼンハワー・マトリックス」

「重要なこと」と「緊急なこと」のどっちを優先?
 判断の物差しになるものとして、「アイゼンハワー・マトリックス」がよく知られています。
 ドワイト・D・アイゼンハワー元米国大統領が考案した戦略とテクニックに基づく時間管理方法です。

 具体的には、取り組もうとする行動を「緊急度と重要度の優先順位」で分類する考え方です。

 第1領域が「緊急かつ重要なこと」(すぐに完了すべきタスク)です。

 第2領域は「重要だが緊急ではないこと」(スケジュールに入れておくべきタスク)です。

 第3領域は、「緊急だが重要でないこと」(他の人に委任すべきタスク)です。

 第4領域は、「緊急でもなく重要でもないこと」(避けるべきタスク)です。

 誰もが「緊急かつ重要なこと」を最優先して、「緊急でもなく重要でもないこと」を切り捨てようとします。
 しかし第2領域の「重要だが緊急でないこと」と第3領域の「緊急だが重要でないこと」が反対になることが多くあります。

 まさに、「重要度」よりも「緊急度」を優先してしまうということです。緊急度を優先し続けると「時間に追われてしまう」「時間がなくなってしまう」「重要なことが後回しになり取り組めない」という結果が待ち構えていることでしょう。

 ここで大切なことは、「重要なことはスケジュールに入れること」と「重要でないことは他人に委任すること」ができるかです。

 重要でないことをよく分析してみると、「必ずしもしなければならないものではない」「やらなくても困らない」ということに気付く場合があります。あるいは、やるにしても「必要最低限の範囲だけを行う」ことで十分かもしれないのです。