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新 堕落性の構造 23

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

7 完全主義者の嘆き

◉六割主義でダイナミックに
 もう一つの完全主義の誤りは、物も人もそれ自体のみで完全はあり得ないことを見逃している点です。

 「完成とは、完全なる部品の完全なる結合である」という言葉があります。私たちは、自分を完全にしようと努力しますが、他人と完全に結合しようとする努力が欠けています。時計の部品でも、いかに完全なゼンマイを作っても、それが他の部品と完全に結合しなければ、価値を発揮できません。それと同様に、人間も他の人と完全に授受作用して初めて、本当の価値が発揮されるのです。

 完全主義者は、自分だけでうまくやろうと考えていますが、それは誤りです。全体目的を忘れがちです。例えば、車をピカピカにしておかないと気が済まない人は、車は乗るためにあるのですが、使うと汚れるのであまり使わないで、美しく保存することだけに心を奪われ、目的観がズレてしまっています。

 あまり目的に関係ないことにエネルギーを浪費することは、神の願いからズレているのです。これを克服するには、根本的には神の創造目的が分かり、原罪を清算していく蕩減(とうげん)復帰の原則に合う生活をすることですが、一つの方法論としては、六割主義で行くことです。六割主義とは、物事は六割がうまくいけば成功だという考え方です。残りの四割の失敗は、六割の成功を土台として次に克服していくことができます。二段、三段的構えです。これは成長の三段階法則です。
 「藪(やぶ)の中の二羽より手中の一羽」という諺(ことわざ)がありますが、あすの完全より、きょうの失敗のほうが価値があります。きょうの失敗も、あすに生かせば完全によみがえるからです。

 物事の結果は神が主管しています。人間は種を蒔(ま)き、育てる努力をするのが責任分担です。きょう種を蒔かずに、あすの収穫を心配するのが完全主義者です。それは、神がすべてを主管していることを信じない、恐るべき不信の罪というべきです。それをまず、神の前に悔い改めるべきでしょう。あすの成功を心配するより、今の大切な時を奪われることのほうを恐れるべきです。

 六割主義で、大胆に、ダイナミックに事を進める人に神は味方します。そのため、自分の今までの完全主義の観念を破壊しなければなりません。それを神の前に、自分の祭物としてささげることです。一定の期間は、絶対にそう考えるという期間を決めて、厳しく訓練をしてください。もっと「統一原理」を学んで、神のみ言(ことば)によって、完全主義という堕落性からくる敵を克服しましょう。

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 次回は、「日本人の多くはハムレット型」をお届けします。


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