シリーズ・「宗教」を読み解く 212
宗教統一と世界平和⑪
世界宗教の普遍的価値の集大成、『世界経典』の発刊

ナビゲーター:石丸 志信

 文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は、「世界平和宗教連合」創設に向けて「世界宗教議会」を米国で2回開催した。

 1985年11月にニュージャージー州のマッカフィーで開催されたのが第1回。主題は「古典的遺産の回復」。第2回は19908月カリフォルニア州のサンフランシスコで開催され、「青年と社会への宗教的遺産の伝達」が主題だった。

 文総裁が「世界宗教議会」に期待したことは、以下の三つの観点であった。(参照:『平和経』第3篇、8「対話と連合」)

 第一に、世界の宗教がそれぞれの伝統を相互に尊重し、交流を通して和合し一つとなることで、宗教間の葛藤と戦争を防止することに寄与すること。

 第二に、宗教者が協力して世界に奉仕し、人の心霊を啓発することで、万人が神中心の価値観で生きるようにすること。

 第三に、実質的な教団代表が参加する議会に発展することであった。

 この期待に応えて、参加者は文総裁が提唱する『世界経典』の編纂(へんさん)に合意した。

▲英語版『世界経典』

 『世界経典』は、各宗教の経典に共通して収められている160余りのテーマを選別して、テーマに即した経典の一節を集め編纂したもの。
 世界有数の神学者、宗教学者らが編集委員や編集諮問委員として参加。6年の歳月をかけて審議を重ねながら1991815日に出版され、同月27日の「世界平和宗教連合」創設大会で世界に発表された。

 文総裁は、その時の基調講演でこう述べている。

 「今回出版した『世界経典』は、世界宗教の普遍的価値の内容が集大成された神聖な経典として、人類の心霊を照らしてくれる最高の光になるでしょう。特に一つの地球村家族として和合して暮らすべき青少年たちに、宗教と皮膚の色と文化の塀を飛び越えることができるように教育する、大切な教科書となるでしょう」(『平和経』第3篇、12「平和世界のための宗教の使命」465ページ)


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