2022.04.03 22:00
神の子を生み育てるために 31
身の回りすべてが関心の対象
アプリで読む光言社書籍シリーズ、「神の子を生み育てるために」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
これから妊娠・出産を控えているかたにも、そして子育て真っ最中のかたにもぜひ読んでいただきたいシリーズです!
須永孝子・著
身の回りすべてが関心の対象
好奇心や探求心を満たす環境を
1歳を過ぎると、一歩一歩社会に向かって成長していくようになります。
歩けるようになることは、子供の成長段階における大きなステップです。それまでに比べ視界が広がり、自分の思うように行動ができるようになり、ますます好奇心が旺盛になります。刺激的な環境であればあるほど、興味の範囲が拡大して、盛んに歩き回るようになります。それに伴って、手足のバランスの取れた動きができるようになり、筋肉の力もついてきて、複雑な動作ができるようになります。
この時期には、子供の好奇心や探求心を十分に満たしてあげることが大切です。変化のない小さな部屋に閉じ込めておくと、刺激が少なく、能力の開発も遅れてしまいます。子供にとって自然の中にあるもの、身の回りにあるものすべてが関心の対象になります。小石も木も葉っぱも空き缶も箱も、いろいろなものがおもちゃになるのです。
ボタンを押すと電気がついたり動いたりする物には、驚きと不思議さを覚えて、何回も押して、試したりします。このように、単純で動きのある遊びを繰り返していく中で、次第に複雑なことができるようになっていくのです。
この時期は、子供が意欲的に学ぼうとすることを阻害しないように心がけなければなりません。
砂遊びを例に挙げてみましょう。子供は砂で山やおだんごを作っては崩し、崩しては作っていく中で、サラサラした砂の感触、水でこねるときのひんやりした感触、丸く固まった砂を握ってつぶすときの感触などをどんどん吸収していきます。飽きずにこうした遊びを何回も繰り返しながら、情報を蓄えてパターン化していくのです。
「人間の脳」については以前、胎教の話の所で触れましたが、『ニューズウィーク日本版特別号-0歳からの教育&4歳からの学習』にも、脳について興味深い内容が掲載されていました。以下は、その要点です。
人間の脳は誕生後も成長を続け、感覚や学習、記憶によって回路を形成していく。脳の回路を決めるのは先天的な要因ではなく、生まれてからの「経験」であることが分かったのは、ごく最近のことである。幼児期の早い段階での「経験」が脳の神経回路の配線を決定づけることが分かり、そのための研究が進められている。ウェイン大学の研究によると、生後6か月から1年の間に、思考や論理をつかさどる前頭葉で、成人の脳の2倍に当たるエネルギーを消費しながら、シナプスが形成される。この勢いは10歳になるまで続く。
語彙(ごい)の習得にも、早い時期の経験がかかわっている。シカゴ大学の研究では、幼児期の語彙数は母親がどれだけ多く話しかけるかに大きく左右される。20か月から2歳までの子供を対象に、おしゃべりな母親とそうでない母親の子供を比べたところ、語彙数の差が131〜295語に及んだという。また文章の構造についても同様である。母親が複合文を使った会話をすると、子供も複合文を会話に入れるようになる。また、生の言葉でないと、子供の言語能力の発達を刺激することはできない。
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次回は、「親は人生の師であり見本」をお届けします。