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神の子を生み育てるために 30
乳幼児の健康と事故

 アプリで読む光言社書籍シリーズ、「神の子を生み育てるために」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 これから妊娠・出産を控えているかたにも、そして子育て真っ最中のかたにもぜひ読んでいただきたいシリーズです!

須永孝子・著

(光言社・刊『神の子を生み育てるために』より)

乳幼児の健康と事故

全身の状態を把握し環境を整備
 乳幼児の健康と事故について考えてみましょう。
 母乳から与えられた免疫物質の効力がなくなるのは生後56か月ごろです。かぜ、麻疹(はしか)、水痘(すいとう)、流行性耳下腺炎(じかせんえん)、おたふくかぜ、風疹などの感染症にかかりやすくなるのもこのころからです。子供の病気は進行が早く、急に変化することがあります。日ごろの健康状態、例えば平熱や食欲の程度、全身の状態などを綿密に把握しておくことが必要です。

 子供の異常を早期に発見する要点は、熱や便、顔色などです。それに加えて、嘔吐、咳、目がうるむ、ぐったりして元気がない、急に食欲がなくなる、原因が見当たらないのに泣き続ける、寝つきが悪く睡眠が十分に取れない、機嫌が悪い、などの症状が出たときは、かかりつけの病院や医者に相談するようにしましょう。ほかにも、定期健康診断や定期予防接種を受け、保健所や病院で育児指導を受けることも大切です。

 子供の健全な発育のためには、健康管理に気をつけることが基本です。バランスの取れた栄養、十分な睡眠、適当な戸外での運動、薄着の習慣。これらにより体力を増進させて、病気に対する抵抗力を高めていきます。また小さいときから手洗い、うがい、歯磨きなどの習慣もつけるようにしましょう。

 予防接種は、人工的に免疫を与えて病気を予防する方法です。生後3か月ごろから接種する三種混合ワクチンやポリオ、生後12か月ごろから接種する麻疹、風疹などがあります。1期、2期と分けて接種するものや、結核のようにツベルクリン反応で陰性の場合だけBCGを接種するものもあります。

 受けるときは、まず子供の健康状態をよく見て、医師に相談します。そして、いつ、何を受けたかを母子手帳に記録しておいて、次はいつごろ、何を受けるかを調べて、忘れないようにしましょう。

 歩けるようになると行動範囲が広がり、好奇心も旺盛になってきます。それと同時に、事故に遭ったり、ケガをする危険も多くなってきます。乳幼児は危険に対する判断力や運動能力が未熟です。頭が大きく重心が高いので、歩行のときも不安定でフラフラします。手に触れる物は何でも口に持っていくので、小さな物を誤って飲み込んでしまうことも多いのです。

 幼児(14歳)の不慮の事故による死亡原因の1位は交通事故です。2位は溺死(できし)、3位は窒息、4位が転落・転倒です。これらの事故は、家族や周囲の大人たちの不注意から起こる場合が多いので、子供の生活環境を子供の目の高さで見て、大丈夫かどうかを把握して整理するようにしましょう。

 特に冬はストーブや熱いお湯の入ったやかん、コップでやけどする事故が多発します。子供の発達に応じて、具体的な安全教育を行い、未然に事故を防ぎましょう。

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 次回は、「身の回りすべてが関心の対象」をお届けします。