2018.05.22 12:00
シリーズ・「宗教」を読み解く 16
エルサレム平和行進
ナビゲーター:石丸 志信
2003年5月以来、ユダヤ教とキリスト教の指導者にイスラームの指導者も加わり、エルサレムでの和解と調和のための会議が度々持たれるようになった。そして「中東平和イニシアチブ(MEPI)」と呼ばれるプロジェクトが始まった。
毎回、参加者は会議のハイライトにエルサレム旧市街で「平和行進」を行った。彼らは、2000年前にイエスが十字架を担った「悲しみの道」(ヴィア・ドロローサ)を、手を取り合って歩いた。
口々に「ピース、シャローム、アッサラーム・アライクム」(「平和、平和、あなたがたの上に平和がありますように」)と声を合わせて歌いながら進んだ。
ある時、行進の終わりに祈り始めたユダヤ教のラビが、これまでキリスト教徒を憎んできたことを悔い改め始めた。すると隣で祈るキリスト教牧師が、兄であるユダヤ教徒を傷つけてきたと、ゆるしを請い始めた。二人は、涙を流しながら、抱擁し和解した。その姿を見て、誰もが神霊の働きを感じ、深い感動を覚えた。
その場に参加した者は皆、敵対する兄弟も神の愛によって和解することができることを知った。
「見よ、兄弟が和合して共におるのは/いかに麗しく楽しいことであろう」(詩篇133:1)と聖書にあるとおりのことが起こった。