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神の子を生み育てるために 27
教育より信頼関係の構築を

 アプリで読む光言社書籍シリーズ、「神の子を生み育てるために」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 これから妊娠・出産を控えているかたにも、そして子育て真っ最中のかたにもぜひ読んでいただきたいシリーズです!

須永孝子・著

(光言社・刊『神の子を生み育てるために』より)

教育より信頼関係の構築を

おもちゃ遊びは子供の目線で
 乳児の中期に当たる69か月児の特徴を挙げてみます。まず人に対する関心が出てきて、自他の区別が少しできるようになり、人見知りをするようになります。眠りも周期的に浅くなり、だれかそばにいるかどうかを確かめて、親がいると安心してまた深く眠るという傾向があります。

 このように、親との関係や周囲の状態に対してとても敏感になるのです。これはだれもが通る発達の段階です。この時期には、公園などいろいろな人に会える場所に出向いて、他の赤ちゃんやお母さんと交流すると、とても良い刺激になります。

 この時期に築かれた「人間に対する基本的信頼感」が、その後3歳ごろまでに形成される人間関係の「基本的構え」に影響します。この「構え」は次の4つのタイプに分けられます。

 ➀自己否定、他者肯定―「どうせ、私なんか……」と自閉的、②自己肯定、他者否定―「おまえが悪い」と責任転嫁、③自他否定―「人生なんか無意味」と非行や自殺傾向、④自他肯定―自他共在で建設的。

 乳児期に母親が不在であったり、情緒的働きかけが欠乏するなど機械的な育児を受けると、基本的信頼感にゆがみが入り、①②③のタイプになると言われています。④が正常なタイプです。

 この時期の赤ちゃんの発達には目覚ましいものがあります。日々成長し、動きも変化します。5か月ごろからお座りができるようになりますが、それは上半身を支えるおなかや背中の筋肉が出来たことを意味しています。また腹ばいが長時間できるのは、あごや胸の力、背筋が強くなったということです。手足もよく動くようになります。指先に力が入り、いろいろな物をつかんだり、振り回したり、口に持ってきたり、細かく動くようになります。

 そのような発達を促し、情操を育てるために欠かせないのがおもちゃです。その選ぶ最大のポイントは、まず危険がないということです。乳児に最も多い事故は誤って飲み込んでしまうことです。小さな部品がついていて、なめているうちに取れそうな物とか、割れやすい薄いプラスチック製の物、塗料がすぐはがれる物などは避けましょう。

 また、子供の発達に合ったおもちゃを与えることが大切です。親が欲張って教育的な観点で選んでも、子供にとっては難しいだけで楽しくなかったりします。子供の目線で理屈抜きに、ただ単純に楽しめる物がよいでしょう。

 また赤ちゃんは、新たに獲得した能力を繰り返し使うことが大好きです。繰り返すことによって、さらに能力を高めます。そしてうまくできたという達成感を得るのです。遊ぶことによって、さらに遊びを発展させることのできるものがよいでしょう。

 知能が発達し、言葉を理解するようになるとともに、自分からも話そうとします。言葉と物、言葉と行動との結びつきが形成されます。この時期は教育というより信頼関係を築くために、愛情や言葉がけやスキンシップをする期間なのです。

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 次回は、「『初めの一歩』を踏み出す」をお届けします。