家族の絆づくり 208
幸せを実現する視点とは?

ナビゲーター:阿部 美樹

視点によって人生は変化する!
 仕事や家庭など、人生を前向きで充実したものにするために、改めて確認すべきものは「視点」です。

 例えば双眼鏡で山を見るとき、頂上だけを見たときには全体像が見えなくなりますし、全体像を見ようとすると頂上は見えにくくなります。

 どこに焦点を合わせるかによって見えるものが違ってきます。人生も同じです。私の人生に対する見方によって人生は変化します。

 幸せを実現する視点について紹介します。

 それは、「不足思考の視点から充足思考の視点」です。
 人は何か願わない不運な出来事が起こったとき、イライラしたり、不安になったりしますが、それをどのようにしたら解消できるのでしょうか。

 多くの人は、不平不満を言うことが日常になっていることでしょう。
 「隣の人がうるさい」「待ち合わせに遅れた」「大切な予定が変更になった」「忙しいのに電車が遅れた」など、多くの願わないことが起こります。
 そしてつい不満や愚痴を漏らしてしまいます。自分が言わなくても周りの人が漏らす不平や愚痴に知らず知らずのうちに影響を受けるものです。

 このように、「不満は不満を生む」ものです。しかし運が悪いから不満を言うのではなく、「不足なものを見る」ことが癖になっていることが問題です。その癖を変化させることで人生は劇的に変わります。

「不足思考」から「充足思考」への転換!
 「感謝は感謝を生む」という事実に注目することが大切です。

 不満ではなく感謝に意識を向ければ、世界の見方が大きく変わります。相手や周りの人に感謝しようとすると、以前よりも感謝すべきことが見えてきます。

 ねたみや後悔、将来への不安など、あれが足りない、これが足りないと考える「不足思考」ではなく、「恵まれている」「自分はうまくいっている」「将来が楽しみ」という「充足思考」にシフトすることがポイントです。

 足りないものに目を向ければ足りないことばかりが増えていきます。すでにあるものに目を向ければ心はどんどん満ち足りていきます。

「感謝の心」は、ポジティブな気分を高め、周りの人たちの心も明るくします。
 不足思考を充足思考に変えるためには、「不満を感謝に変える」必要があります。一つの不満があったら、一つの感謝すべきことを見つけることです。

 「一つの不満を感じたら、一つの感謝すべきことを見つけて言葉に出す」ことをルールにして生活すると、自然と感謝の気持ちを口に出すことが増えます。繰り返すことで、感謝のサイクルを生み出すことができるのです。

※参考図書:『エフォートレス思考』(グレッグ・マキューン著、かんき出版)