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統一原理Q&A 24
ヤコブの長子権復帰について

 アプリで読む光言社書籍シリーズ、「統一原理Q&A」を毎週日曜日配信(予定)でお届けしています。
 統一原理に対する著者の分かりやすい解説がコンパクトにまとめられています。統一原理への理解を深めるために、ぜひ読んでいただきたいシリーズです。

白井康友・著

(光言社・刊『統一原理Q&A み言による神の心情の再発見』より)

Q:復帰摂理の根本的課題は、アベルのカインに対する長子権復帰であると聞きましたが、どのような内容を意味しているのでしょうか。また、そのことを歴史上初めて勝利したといわれるヤコブは、どのような路程を経過して勝利したのでしょうか、詳しく説明してください。

A:本来アダムとエバは長子、長女として、本然の神の直系の子女となったはずであり、その後夫婦、父母となって、地上天国が成就された時には神の代身として、王と王妃となって天宙を治めたはずです。長子の立場とは、父母から家督権を相続し、次子以下を指導することができるので、長子の権限とは次子以下を支配できる権限なのです。

 ところが堕落したことによって、アダムは長子の立場を奪われてしまったので、それ以来サタンは長子権を握り、次子を支配してきたのです。

 これを復帰するために、サタンが上にあり、神が下になるので、次子を神が取って、長子の立場を復帰する歴史が必要となったのです。ゆえに復帰歴史は兄(カイン)を次子にし、次子(アベル)を兄にするという、逆理の道として今日まで摂理されてきたのです。

 しかし蕩減復帰するためには、強制的に復帰することはできず、カインの愛に関する恨み(減少感や怨念や憎悪心)を解いて、自然屈伏させなければなりません。そのためには、まずカイン圏に行って、迫害の中にあっても、愛と犠牲の精神をもって仕え、カイン圏から「もうこれ以上いじめてはいけない」という同情と、「この人はよくやった」という祝福の言葉の証明書をもらってくる必要があります。

 それではアベルの立場にあるヤコプは、カインの立場にあるエサウに対して、どのように長子権復帰を勝利したか調べてみましょう。

 まず象徴的段階としては、母リベカの胎中で闘争し、ヤコプがエサウのかかとをつかんで胎外に出てきた(創世記二五・二六)という内容でした。次に形象的段階としては、ヤコプは知恵を用いて、パンとれんず豆をしてエサウからヤコブヘ長子権を売り渡す誓いの条件を取り(創世記二五・三三)、さらには、本来エサウに与えられるべき神の祝福を、父イサクから勝ち取ることができました(創世記二七・二七)。

 そして最終的な実体的段階として、ヤコブはハランにて21年間の苦役を通過しながら妻子と財物を復帰し、実体的サタンを象徴する叔父ラバンを屈伏させ、さらにヤボク川にて、霊的サタンを象徴する天使との組打ちに勝利することができたので(創世記三二・二八)、ヤコブはその勝利条件を獲得して、失われたアダムの位置を復帰したことになるのです。次に、その条件のもとでヤコブは、アベルの位置を復帰すべき立場に立ちました。そこで彼はハランにおいて築き上げたすべての財物をエサウに贈り物として捧げ、エサウと出会う時には自ら七度身を地にかがめて謙虚な姿勢で近付いていき、「あなたの顔を見て、神の顔を見るように思います」(創世記三三・一○)と、心からの讃美を捧げました。その結果、エサウは、今までヤコブに対して抱いていた怨みが完全に解かれ、心からの同情と祝福を感じて、涙して抱き合ったのです。正にこの瞬間が人間始祖の堕落以来、初めて長子権復帰を勝利した歴史的瞬間といえます。


▲イサク、ヤコブを祝福する(ドレ)

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 次回は、「摂理的同時性について」をお届けします。