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心情開拓
心霊を育てる生活原則(36)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』200549日第3版発行〉より)

4 復帰歴史に見る生活原理
(1970年1121日)

▲李耀翰先生

生活的原理の理解

 今まで復帰摂理に対して、歴史的に、原則的に学んだのですが、直接私たち自身がどういう立場で、何を蕩減(とうげん)しながら、どういう条件を立てて、自分の外的位置、内的、心情的位置を開拓していくのかという、具体的な自分の路程を知らずにいました。こういう意味で、「原理」の取り扱い方を今までの立場ではなく、自分自身に対してどう応用していくのか、どのように利用していくのか、どういうように生活するのかという面を、講義していきたいと思います。

 もちろん、「原理」を本のとおりに体得しなければなりませんが、そのあとに、どういう環境で、何をしているのかという生活的原理を理解しないといけません。

 み言(ことば)に接する時は、自分自身をよく整えなければなりません。言葉は生命を基台として必要なのです。ただ耳で聞いて知るのではなく、情を主体としてみ言を受けなければなりませんから、相当、皆さんもこちらへ来る以前から内的に整備しているかもしれませんが、この期間は整備した態勢でみ言に接しなければいけません。

 ついこの前まで、110名くらいの祝福の新婦たちだけが講義を聞いたのですが、相当霊的な圧力があって、頭が痛くなったり、締めつけられて、のどが痛くなったりした人が、5名近くいましたし、歩けなくなって3日か4日の間、ベッドに寝たままの人もいました。なぜかというと、言葉の背後に霊的な圧力が加わっているのです。

 復帰原理をどのように見るかを説明している「緒論」に、「蕩減復帰摂理」という言葉、「蕩減」という言葉が出てきます。蕩減という条件によって復帰摂理を進めるというのですが、この蕩減というのは結局、一つの闘いです。

 自分を中心として、二人の主人に因縁をもっている自分は、絶対者なる神だけに主管されるべき人間だと知りました。そして原理的でない非主人の主管から脱出して、完全に縁を切って、もとの創造主との因縁を結ぼうという目的で信仰をし始めた者が、悪の力によっての因縁が結ばれているということを実感し、一つの闘いを宣布したわけです。戦争を宣布して、それからの戦いが蕩減なのです。結局、本然の自分にならなければならないという目的をもって方向転換してからは、すべてが蕩減路程、蕩減期間の中に存在している私たちの立場なのです。

 蕩減の意味のとらえ方ですが、何か事故が起きたから蕩減だと思う人が多いのです。何か引っ掛かった時、事件が起きた時、「これは蕩減だ」と思っている。しかし、そうではなく、私たちは今も蕩減路程期間中にいるのであり、全体が蕩減なのです。

 成長期間というのは、堕落していなければ、自分の主体者との縦的関係を結ぶ責任分担期間です。それが堕落したため蕩減というものが加わったのです。非原理の主人との関係を完全に解決しながら、もとの原理的路程においては、絶対者と授受をしながら行かなければいけない期間にいるのだということには間違いありません。

 それでは、蕩減期間中の条件、蕩減条件とは何かといえば、蕩減している中での成績、自分の目的に向かって内的に積み上げた実績、これが条件になるのです。例えば、3日間なら3日間の精神生活の出発の動機と結果が、途中で変わらずに一貫したものであれば、蕩減条件が立てられたということになるのです。

 一番良い例は、アブラハムのイサク献祭です。アブラハムがイサクを献祭しに出掛けて、3日目にイサクを祭物としてささげて剣でもって殺そうとする瞬間まで、一貫していたのです。出発した動機を、自分の事情で直したとか、疑ったとか、そういうことがなく、一貫して目的に向かって、何も顧みることなく前進したので、動機と結果が同じだったのです。それで勝利を得たのです。

 ノアが箱舟を造るのに120年かかったように、あるいはその他の祭物も、みなそのような期間があります。自分が決意をしたその瞬間から、3日間なら3日間、その期間が満ちるまで重ねてきた実績が、そしてその結果が、神から祝福を受けることのできる条件になったのです。

 そういう意味で、復帰摂理の中においては全部、蕩減生活と見ることができます。

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 次回は、「蕩減条件の三種の立て方」をお届けします。


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