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スマホで立ち読み
『よくわかる勝共理論』(7)
内からの脅威─「家庭の価値」の崩壊

 好評シリーズ「ほぼ5分でわかる勝共理論」でおなじみの、中村学講師の著作『よくわかる勝共理論~日本と世界の平和のために』(光言社)の一部を「立ち読み」でご覧いただけます! 毎週水曜日にお届けします。
 反共を超えた、「勝共」を理解するためにぜひ読んでおきたい一冊です。

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中村 学・著

(光言社刊『よくわかる勝共理論』より)

第一章
今なぜ、共産主義問題を考えるべきなのか

内からの脅威─「家庭の価値」の崩壊

 次に、内からの脅威です。最も深刻なのが「家庭の価値」の崩壊です。

 最近、若者たちの中に結婚したくない人、結婚しても子供は要らないと考える人が増えています。「家庭を築くことは大切だ」という考えよりも、「個人として自由に生きる」という考えのほうが強調され、非婚化、晩婚化が進んでいるのです。

 少子化が進み、子供が生まれなければ、その国は間違いなく滅びます。家庭が弱体化すれば愛が冷え、心情が消え、人間性が失われます。このままでは日本は外部から攻撃を受ける前に自滅しかねません。実は、この問題を生み出す核心にあるものも共産主義思想なのです。保育園が足りないというのも原因の一つかもしれませんが、決して本質ではありません。

 共産主義思想では、人間は労働者であると考えます。その労働者としての権利を奪うのが国家です。だから国家は悪です。このように、共産主義思想では、社会を国家(=悪)と労働者(=善)の二つに分けて考えます。権力を持つ国家が、労働者を不当に支配しているという構図です。これを階級闘争論と言います。

 共産主義思想は、これを家庭にも応用します。日本ではかつて、父親が外で仕事をして、母親が家事や育児を行うという家庭が大半でした。しかし、共産主義者は、これが問題だと言っています。

 その理由は次のようなものです。妻や子供は、父親が持ってくる給料に依存して暮らさなければならない。だから父親に逆らうことができない。こうして父親=支配者=悪、妻や子供=被支配者=善という構図ができる。このように、家族制度は、男性が女性や子供を支配するための道具としてつくられたものだ。だから壊さなければならないというのです。

 共産主義は、もともと労働者によって国家を倒すためにつくられた理論です。それを家族制度に応用したわけです。私たちは、このような考え方を「文化共産主義」と呼んでいます。

 難しいのは、彼らが「家族制度を破壊しよう」とは直接言わないことです。表向きは「女性の権利を守れ」「子供の権利を守れ」と言います。だから対応が難しいのです。うかつに否定すると、「人権をないがしろにする人だ」と誤解され、批判されてしまいます。

 ここが彼らの巧みなところです。個人の権利を主張するようでいて、実際は家族制度を破壊しようとしている。この部分を見極められないと、日本はダメになってしまいます。

 後で詳しく説明しますが、今の日本の少子高齢化問題を根本的に解決するには、日本が「家庭の価値」を取り戻さなければなりません。つまり日本は、文化共産主義の問題を克服しなければならないのです。しかし今のところ、日本は反対の方向に行きつつあります。

 以上、日本を取り巻く内外の脅威の根幹には共産主義思想があるということを簡単に説明しました。日本が平和を維持し、幸せな社会を築いていくには、必ず共産主義問題を克服しなければなりません。共産主義は、決して過去の問題ではないのです。

〔第一章のポイント〕
●日本は今、内外の危機に直面している。
●その危機の本質は共産主義思想である。
●日本は共産主義思想の脅威を正しく認識し、克服できなければ、平和と安全、繁栄を享受し続けることができない。
●「家庭の価値」を破壊する文化共産主義。

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 次回は、「マルクスとエンゲルス」をお届けします。


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