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新 堕落性の構造 10

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

3 嫉妬について

◉逆の経路をたどって乗り越える
 では、どうしたら解決できるでしょうか。

 一般的には、こういうものは人間の本性だから解決などできないと考えているようです。しかしそうではありません。それを解決するのが「統一原理」なのです。病人を治す場合には、まず病気になった原因を探して、それを取り除く手当てをし、それを早めるために投薬します。それと同じく、堕落した原因を探し、それと逆の経路をたどって努力しなければなりません。そこで堕落して嫉妬(しっと)心をもつようになった逆の経路をたどってみましょう。

 まず第一に、天使が、人間だけが愛されていると感じたのは、神の全体的計画が分からなかったからです。

 例えば、兄弟が大勢いて、親が一番下の子供をかわいがっているのを見ると、兄弟は少し寂しく思いますが、自分たちもああやって愛されてきたのだからと思って、親の立場を理解してあげなくてはならないのです。

 神も人間だけを愛したのではなく、平等に愛する計画だったのですが、物には順序があるので一遍にやれません。だから先につくられた天使には、人間が成長するまで親の立場で待っていてほしいと願っていたのですが、天使は理解できなかったのです。

 ゆえに解決の第一は、神の立場を理解し、親の心情で他の人の幸福をむしろ喜んであげるように努めるということです。

 第二は、他より自分のほうが少ないと減少感をもって堕落したのですから、解決するには、自分と他を比較しないということです。

 自分の運命と他人の運命は違います。今、隣人が栄えていても、あす滅びるか分かりません。また、今幸福であるのも、人知れない苦労をしてきた結果かもしれません。自分は努力もせずに、人の幸福をねたむのはとんでもないことです。自分は自分として他人に動かされずに、運命の道を開拓していくという気持ちがあれば、そんなことに動かされません。そのため、自分をよく知らなければなりません。自分を知るためには、神を知らなければなりません。

 第三に、人の幸せを引きずり下ろそうと思うのが嫉妬ですから、それから解放されるためには、自分が努力して上がっていかなければなりません。自分が努力していれば、他人の幸運は少しも気にならず、むしろそれを称える心のゆとりができるものです。

 こうして、堕落と逆の経路をたどりながら、嫉妬を解放していかなければなりません。頭ではこれが分かっても、現実にそうすることは簡単ではありません。実際にそれを解放した人に教えられなければ、分からないことだらけです。その解決した人として来られるのが、メシヤです。ゆえに、最終的解決のためにはメシヤが必要であるというのです。

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 次回は、「怒りは身を滅ぼす」をお届けします。


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