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スマホで立ち読み
『よくわかる勝共理論』(5)
危機に直面してからでは遅い

 好評シリーズ「ほぼ5分でわかる勝共理論」でおなじみの、中村学講師の著作『よくわかる勝共理論~日本と世界の平和のために』(光言社)の一部を「立ち読み」でご覧いただけます! 毎週水曜日にお届けします。
 反共を超えた、「勝共」を理解するためにぜひ読んでおきたい一冊です。

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中村 学・著

(光言社刊『よくわかる勝共理論』より)

第一章
今なぜ、共産主義問題を考えるべきなのか

危機に直面してからでは遅い

 こうした問題は、危機に直面してから考えるのでは手遅れです。

 例えば、米軍が日本から撤退し、中国が本気で日本を攻撃すると考えてみましょう。当然、攻撃に使われるのは最新兵器です。

 兵器は一世代違うとまったく通用しなくなります。スマホやパソコンもそうです。何年か前のパソコンでは、最新のソフトの多くは使えないでしょう。兵器も同じです。

 例えば、中国は現在、ステルス戦闘機を大量に配備しようとしています。レーダーで捕らえられない戦闘機です。戦闘機はマッハ2~3の超高速で飛ぶので、肉眼で捕らえて撃墜することなどできません。レーダーで捕捉し、ロックオンをして、自動で追尾して撃墜します。ところがステルス戦闘機はレーダーで捕らえられません。シミュレーション上の話ですが、ステルス戦闘機一機で通常の戦闘機50機を全滅させられるといいます。それほど兵器の世代格差は致命的なのです。

 国際社会では、軍事的な立場が相手より弱ければまともな話し合いができません。現在のフィリピンやベトナムなどがそうです。中国の動きを牽制(けんせい)する力を持たないので、中国が好き勝手にやっています。南シナ海に人工島を造り、フィリピンやベトナムの漁船を取り締まっています。これが国際社会の現実です。

 では日本が危機に直面した時に、「今から最新兵器を配備しよう」と決断すればよいのでしょうか。そうではありません。兵器は国家の安全を左右する最高機密です。タダで売ってくれる国はありません。もし自国で研究開発しようとすれば何年もかかります。

 たとえ最新兵器を手に入れても、自衛隊が現場で使いこなせるようになるまでにまた何年もかかります。すべて合わせて10年以上かかるのが通常です。ですから10年後の脅威のために、今から準備しなければなりません。兵器に限らず、国家戦略は常に10年後、20年後を見据えなければならないのです。

 その時、日本はどういう国であるべきなのか。

 今まで70年間も戦争に巻き込まれなかったから、現状維持でよいのか。それとも世界の変化に合わせて、日本のあり方を真剣に検討しなければならないのか。未来に責任を持って考えなければなりません。

 もちろん過去の教訓を生かすことは重要です。過ちを繰り返してはなりません。しかし、過去に捕らわれているだけではダメです。しっかりと未来を見据えることが重要です。

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 次回は、「中国の本質は共産主義」をお届けします。


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