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スマホで立ち読み
『よくわかる勝共理論』(4)
未来の日本の立ち位置は

 好評シリーズ「ほぼ5分でわかる勝共理論」でおなじみの、中村学講師の著作『よくわかる勝共理論~日本と世界の平和のために』(光言社)の一部を「立ち読み」でご覧いただけます! 毎週水曜日にお届けします。
 反共を超えた、「勝共」を理解するためにぜひ読んでおきたい一冊です。

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中村 学・著

(光言社刊『よくわかる勝共理論』より)

第一章
今なぜ、共産主義問題を考えるべきなのか

未来の日本の立ち位置は

 左翼系の護憲派の人々は、「日本の平和は憲法9条によって守られた」と主張します。しかし、これはおかしな話です。憲法9条は、日本が戦争をしないこと、日本が軍隊を持たないことを定めているだけです。どうしてその9条で日本の平和を守れるのでしょうか。例えば、犯罪に巻き込まれないためには、「私は平和主義者です。何でも話し合いだけで解決します」と宣言すればよいのでしょうか。それで犯罪者が遠慮してくれるのでしょうか。そんな理屈が通るなら警察は要りません。

 実際は、日本の平和は自衛隊とアメリカ軍によって守られてきました。だから自衛隊は必要です。同じように米軍基地も必要です。もちろん米軍基地のあり方については議論があってもいいでしょう。騒音被害などは極力減らさなければなりませんが、基地そのものをなくすわけにはいきません。

 ところが、中国はアメリカに対して次のように言っています。

 「アジアから去れ! いなくなれ! アジアのことはアジアで解決する」

 この言葉の意味は、アジアが自立して、より高度な民主主義を実現するということではありません。アメリカさえいなくなれば中国の思いどおりになる、ということです。「アジアには、中国と対等に渡り合える国はない。日本には自衛隊があるが、憲法9条があるからどうせ何もできない。だから中国の思いのままになる」というわけです。

 戦後、アメリカ、ソ連(ロシア)、イギリス、フランス、中国の五カ国が大国といわれてきましたが、中国は今、アメリカに対して「新型大国関係」を呼びかけています。今の国際社会では、大国とはアメリカと中国である、この2カ国で世界の秩序を守っていこうではないか。だから両国は大国として互いに尊重する、そして干渉しない。これを国際ルールの基本にしようというのです。

 今のところアメリカは、この提案を無視しています。しかし、アメリカの要人の中にも、「新型大国関係を受け入れるべきだ」という人がいます。中国に取り込まれてしまっているのです。もしアメリカ政府までもがそう判断すれば、日本にとって大変な事態です。

 では、今後中国が経済的に、軍事的にさらに成長し、アメリカと対等な立場に立てば、どうなるでしょうか。きっとアメリカに対して、今以上に強い圧力をかけるでしょう。あるいは、「中国を優先したほうが得をするよ」と言うかもしれません。その時、アメリカは果たして、中国に敵対してでも日本を守ってくれるでしょうか。日米同盟は維持されるのでしょうか。その保障は100パーセントではありません。

 アメリカ国内には、日本の「安保タダ乗り論」という考えがあります。日本はかつて、敗戦国として経済的に厳しい状況にあった。だから共産主義の脅威からアジアを守るためにアメリカが軍を駐留させた。ところが日本は今や世界有数の経済大国になった。本来なら日本の安全保障は日本自身が責任を持つべきだ。日本の繁栄はアメリカの犠牲に「タダ乗り」して築かれたものだ。ずるいではないか、というものです。

 ただ、今のところアメリカでは、在日米軍を駐留させておいたほうがアメリカにとっても都合がよいと考えているようです。それで莫大(ばくだい)な軍事費を投入し続けているのです。これを逆に考えれば、「アメリカにとって利益はない」と思えば、米軍は撤退するかもしれないということです。それでも日本は、「憲法9条を守れ」と叫んでいればよいのでしょうか。

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 次回は、「危機に直面してからでは遅い」をお届けします。


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