家族の絆づくり 201
メリットの大きい「朝散歩」

ナビゲーター:阿部 美樹

リズム運動と朝日の効果
 健康維持の秘訣(ひけつ)として、「運動」が挙げられますが、年齢を重ねるとともに激しい運動は逆効果になる場合もあります。

 年齢にかかわらず、できる適度な運動の一つに「朝の散歩」があります。起床後1時間以内に1日15~30分間、早足で散歩をすれば、1日の最低運動量をクリアできます。朝散歩は、運動になるだけでなく、次の三つの効果があります。

 第1の効果は、「セロトニンの活性化」です。
 現代人は過度なストレスによって、うつ病もしくはうつ病気味になる人が多くなっています。

 うつ病はセロトニンが下がる病気です。うつになると、セロトニンが徐々に下がってきます。朝散歩がセロトニンを活発にするのは、「リズム運動」であるとともに、「朝日を浴びる」からです。

 セロトニンが十分に分泌されることによって、すがすがしい気分になり、集中力が高くなり、夜の睡眠が深まります。

自律神経、骨の強化にも良い!
 第2の効果は、「体内時計のリセット」です。
 人間には体内時計があり、その1日は平均24時間10分前後だといわれています。体内時計をリセットしないと、毎日10分ずつ寝つきの時間が遅くなり、昼夜逆転の生活になってしまうのです。

 また、寝ている時は、自律神経の副交感神経が優位になっています。朝の目覚めとともに、徐々に活動モードの交感神経に切り替わります。

 しかし、なかなか切り替わらずボーッとしている場合があります。朝散歩をすることで体内時計が切り替わり、自律神経が整えられ、爽快に一日を出発することができます。

 第3の効果は、「ビタミンDの生成」です。
 ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にするホルモンです。日本人の8割がビタミンD不足気味で、4割は欠乏しているといわれています。

 このビタミンDが欠乏すると、骨粗しょう症になったり、骨折しやすくなったりします。高齢者の場合、それがきっかけで「要介護」「寝たきり」になる人も多いのです。

 朝日を浴びて15~30分の散歩をすれば、一日に必要なビタミンDの生成が行われます。このように、朝散歩をすることはさまざまな良い効果があります。