家族の絆づくり 200
「嫌な人」に対する三つの対応方法

ナビゲーター:阿部 美樹

嫌な人にはやり返せ!
 家庭や職場、学校などで良好な人間関係を築くことは幸せな人生にとって大切な要素です。

 しかし相性が合わない人、嫌いな人、攻撃してくる人がいるものです。どんなに人格的な人であってもねたまれたり、誤解されたりするなど、トラブルに巻き込まれることもあります。

 では、そのような人に対して、どのように対応したらよいでしょうか。
 その対応には3種類があります。

 第1の対応は、「ネガティブに対応すること」です。
 悪口や嫌がらせに対して我慢せずやり返すことです。その人の悪口を言ったり、相手を陥れたりするなど、仕返しをすることです。

 そうすれば、相手は落ち込んで嫌がらせをやめたり、改善されたりすることがまれにありますが、ほとんどは関係性が悪化し、相手の攻撃も強まってしまうことでしょう。

 相手に対して我慢できないならばネガティブな対応も仕方ないものですが、火に油を注ぐがごとく、ネガティブな感情を増やしてしまうものです。

嫌な人には笑顔と感謝で!
 第2の対応は、「ポジティブに対応すること」です。
 例えば、嫌がらせをされた場合、それに対して「細かいご指摘ありがとうございます」と笑顔で返すことです。
 どんな悪口や攻撃に対しても、「感謝の心」「親切な心」で対応するのです。

 しかし笑顔で感謝したとしても、10回連続で悪口を言われるかもしれません。それでも感謝し続けるならば、相手はつまらなくなって標的を変えることでしょう。
 なぜなら、悪口を言う人の願望は、相手が嫌がる姿を見ることだからです。相手の嫌がる姿や困っている姿を見ることがストレス解消になっているものです。

 感謝力の強い人は人間関係においても敵がいなくなりますから、一番良い対応と言えますが、この対応までは難しいという人もいるでしょう。

 そのような人は、第3の対応である「スルーすること」しかありません。
 攻撃したり悪口を言ったりする人に対して、「あっ、そうですか」「意見を承ります」と言いながら受け流すことです。

 笑顔で対応する必要もなく、ニュートラルな態度で、のれんのように受け流すことです。
 「他人の言うことを気にする暇はない」「他人の顔色を見る必要もない」と考えて通り過ごすのです。

 メンタルを患う人は、周りの人の反応を過度に気にする傾向があります。嫌われたとしても仕方がないといういい意味での開き直りは必要かもしれません。