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新 堕落性の構造 7

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

2 無視されるということ

◉解決はゼロになること
 ではどうすればいいのでしょうか。それは自分を勝手に高く評価したことから始まる悲劇ですから、これをやめたらよいのです。自分で10の価値があると決めずに、ゼロだと思うことです。そうすればいくら低く評価されても不平は生じませんし、逆に、もともとゼロなのですから、評価された分だけうれしくなるはずです。だから今までの宗教は全部、自己否定を教えました。それは理屈は分からなくても、ゼロになっていれば問題は起こらないし、サタンが入ってこないからです。これが自分が死ぬということです。イエス・キリストも聖書の中で「自分の命を得ている者はそれを失い、わたしのために自分の命を失っている者は、それを得るであろう」(マタイ一〇・三九)と言われています。

 自分を高ぶる思いのある者ほど、サタンは地上の人を通じてわざと低く評価させ、怒らせ、その人に入って地獄に引っ張っていこうとするのです。だからそういう思いをもっている限り、サタンはそばから離れないのです。ゼロの中に、サタンは入ることはできません。サタンが入れなければ、そこから逆に、神が入ることができるのです。

 神と共にあれば、10の価値どころか無限の価値です。これを低く評価する者は神を冒瀆(ぼうとく)するものです。神を汚す者は、その人が怒らなくても神が許さないでしょう。だから神と共にあれば、自分が自分を評価しなくても自然に人が評価してくれるし、不平がないから心はいつも平安です。これが心に天国ができたということです。根本的解決は、神に帰ること以外にあり得ません。ここで難しいことは、自分が死ぬということです。

 「自分をゼロにせよ」と言われると、本当にゼロになって消滅してしまうのではと恐れる、無知な人が多いのです。神が創造された唯一無二の存在価値をもつ人間を、神が消滅させるはずがありません。もし神が消滅させたら、それは神の自殺行為になります。永遠にして唯一絶対の神に、自殺はあり得ないことは確実です。ゆえに問題は、そういう神が実在することを信ずることができないということにあるのです。

 まず神を信ずることから始めましょう。そのため神について、もっとよく学ぶように努力しましょう。

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 次回は、「他人の幸福を喜べない心」をお届けします。


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