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新 堕落性の構造 6

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

2 無視されるということ

◉無視されて怒るほうも悪い
 さて次に、無視するほうも悪いが、それを怒るほうにも問題があることを調べてみましょう。

 自分に相談してくれなかったり、認めてくれないと、すぐ「人をバカにして」と怒る人がいます。この怒りは、どういうときに起きるかというと、自分で自分のことをこれくらい価値があると思っているのに、人がそれを評価してくれないときです。例えば、自分は10の価値があると思っているのに、人が7くらいにしか評価しなかった場合、3の差ができます。この認められなかった3の部分が不満となって現れ、この不満を満たそうとする情的作用が怒りとなるのです。だから「無視された」とか、「バカにしてる」と言っている人はいつも不平不満をもち、腹を立てています。

 しかし、人が自分を評価してくれないことが問題ではありません。人に自分をこう評価せよと要求することはできないからです。問題は自分が自分を勝手に高く評価していることからくるのです。すなわちそれは、人間の堕落性からくるゴウマン性です。だから「無視された」とか、「自分に相談しなかった」とか言っている人ほどゴウマン性の強い人です。

 そして評価されなかった空白の部分にサタンが入ってきて、いつも心の中は不平不満やイラダチで満たされているのです。そして、その不満を解消するために、いろんな人に自分の気持ちを分かってもらいたいと走り回ります。しかしその分だけ不満のタネを繁殖し、一時的には自分を理解してくれていたように思うのですが、いつもその人が自分のことを思って生活してくれているわけではありませんから、事情が変わった時に自分の首を絞める結果になるのです。そうして次第に追い詰められていくのです。行く先には破滅があるのみです。

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 次回は、「解決はゼロになること」をお届けします。


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