2021.12.15 17:00
家族の絆づくり 198
「うつ病」になりやすい人の特徴
ナビゲーター:阿部 美樹
「0か? 100か?」という二分思考
うつ病で苦しむ数多くの患者を診てきた精神科医の樺沢紫苑氏は、うつ病になる人の特徴を三つ紹介しています。
第一の特徴は、「ゼロヒャク思考」です。
「0か100か」「白か黒か」「成功か失敗か」「うまくいくかうまくいかないか」という二者択一でしか物事を考えられない「二分思考」のことです。
100点以外は0点という考え方です。
人生の中で100点を取ることは少ないので、ほぼ毎日が0点でうまくいかない日が続くことになります。すると、ストレスがたまり、イライラし、自己肯定感も下がり、メンタル疾患やうつ病になりやすくなります。
うつ病患者の大部分は、中間、普通、グレーゾーンがないのです。
ゼロヒャク思考をやめるためには、百点満点でなくても30点や40点など数値化すること、加点方式で積み上げるように物事を考えることです。
ネガティブに一人で悩む
第二の特徴は、「ネガティブ思考」です。
物事をネガティブに捉え、物事のマイナス面に注目する傾向の強い人です。毎日悪いことばかり起きる、楽しくないことばかり起きる状態です。
同じ30点でも、0点より30点も高いと考える人と、100点より70点も低いと考える人がいます。後者は毎日嫌な思いを繰り返し、ストレスをためてメンタル疾患に陥りやすくなります。
解決するためには、毎日寝る前にその日の楽しかったことを挙げるなど、ポジティブなことを発見する練習を繰り返すことが有効です。
第三の特徴は、「一人で抱え込む」ことです。
うつ病になる人は、悩みを一人で抱え込み、誰にも相談しません。ストレスを一人で抱え続けて最後は爆発します。
誰かに相談して悩みを打ち明けることで、心のガス抜きができます。心の中からネガティブなことを吐き出すことができます。しかし、「こんなことを話すと変に思われるのではないか」というマイナスの目で見てしまうと、恐れの思いが湧いてきます。
人に悩みを打ち明けることには勇気が必要ですが、その勇気は心を楽にしてくれて、軽くしてくれることでしょう。