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新 堕落性の構造 4

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

1 見栄を張るということ

◉まず責任を全うしよう
 ではどうしたらこの見栄を解決できるでしょうか。それは実力以上のことは高望みしない、すなわち自分の限度を知るということです。こう言うと進歩的でなく、何となく後退するように思うのですが、そうではありません。もし自分があることを人に見せたいと思うなら、それだけ努力することなのです。努力なくして結果だけを望むのはドロボウです。十努力して、十以下のことを現すことは、堕落性に引っかかりません。

 だから、立派な家をもちたかったら、人並み以上に汗を流し、苦労した結果手に入れたものだったら、万民はそれを認めるでしょう。努力なくしてそれを手に入れたなら、人は疑いの目を向け、きっと汚職か何かで手に入れたのだと思うでしょう。

 まず高望みをする前に、現在の自分の立場で、やるべきことを完全にやり遂げること、これが存在を守ることです。今の自分の仕事を完全にやり遂げれば、人はみなそれを認めてくれるでしょう。

 責任を全うしないで認められることだけを望めば、それは見栄になってきます。認められるかどうかは、自分がやり遂げた結果与えられるものなのです。また、そういう誠実な人間は、決して見栄など張らないものです。見栄っ張りの人ほどフワフワして、今の自分の任務に忠実でないはずです。

 私たちの人生は二度と繰り返すことのできない貴重なものですから、見栄などという愚かなことに時間を浪費せず、もっと人生の根本を深く見つめ、価値あることに使うように努力しましょう。

 次のページに、すべての人間がもっている堕落性本性を、四つに分け、一覧表にしました。

堕落性本性

1、神(親)の立場に立てない
●自己中心
ねたみ、嫉妬(しっと)、憎しみ、派閥
相手の喜びを祝福できない
視野が狭い

2、自分の位置を離れる
自分がやるべきことをやらない
公私(全体と個)の区別がつかない
過分な欲望
頭にくる
カッとなる
欲求不満
自分一人ぐらいさぼっても…

3、主管性の転倒(主客転倒)
従うべきことに従えない
人の話(意見)が聞けない
素直になれない
強情、傲慢(ごうまん)
テングになる
目的と手段が不明確

4、罪の繁殖(責任転嫁)
被害者意識をもつ
面子にこだわる
うそをつく
●隠す

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 次回は、「無視されると腹が立つ」をお届けします。


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