2018.05.02 12:00
家族の絆づくり 13
前向きな心を育む「肯定力」
ナビゲーター:阿部 美樹
前向きに生きる人とは?
「前向きに生きる人」とは、どのような人でしょうか? 積極的な人、意欲的な人、優れた能力を持った人など、やり手の指導者タイプをイメージしやすいですが、そのような人だけでなく、「何事も肯定的に受け止める人」であれば、誰もが前向きに生きることができます。
一つ一つの出来事に対して、「どうしてこのようなことが起こったんだろう」「こんなことがなければよかった」と否定して葛藤すると前向きに生きることはできません。
苦労や失敗、不条理な出来事であっても気にし過ぎると、自分自身に対しても否定的に見つめ、悲観的な生き方になりやすいものです。
減点主義・加点主義・逆転主義
充実した幸せな人生を実現するための方法として、課題や問題に注目して改善していく「減点主義」があります。一方で、良い所、できることを探して伸ばしていく「加点主義」があります。課題改善型も必要ですが、長所伸長型の人は自分の個性を前向きに捉えて自尊感情を高めようとするので、前向きに生きる人になります。
さらには、欠点も長所であると考えたり、逆境をチャンスと捉える「逆転主義」があります。逆転主義は、困難や苦難に直面したとしても、それを自分が成長する機会と考え、自分に必要な出来事であると捉えます。辛い経験をしたとしても、それを前向きに受け止めるならば、その経験は円熟した人格形成につながることでしょう。家族や他の人を愛する器づくりにもなります。不幸と思われる出来事が人生の財産になるということです。