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「性解放理論」を超えて(6)
マルクス主義②

 人類は今、神とサタンの総力戦の中に生きています。
 「統一思想」すなわち「神主義」「頭翼思想」によって生きるのか、神の言(ことば)を否定する思想を選択するのか…。
 台頭する性解放理論を克服し、神の創造理想と真の家庭理想実現のための思想的覚醒を促す「『性解放理論』を超えて」を毎週月曜日(予定)にお届けします。

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大谷明史・著

(光言社・刊『「性解放理論」を超えて』より)

一 性解放理論の台頭
(二)性解放理論の展開

(2)マルクス主義②
 エンゲルスの夫婦観は次のようです。

 愛にもとづく婚姻だけが道徳的であるなら、同じく愛の存続する婚姻だけが道徳的である。しかし、個人的性愛の発作の持続期間は、個々人によって非常に相違する。とくに男のばあいはそうである。そして、愛着がまったくなくなるか、あるいは新しい情熱的な恋愛によって駆逐されたばあいには、離婚は当事者の双方にとっても社会にとっても善行である(※7)。

 男女の愛を性愛の関係のみで捉え、「個人的性愛の発作の持続期間」が個々人によって相違があるから、愛着がなくなれば、さっさと離婚したほうがよいというわけです。このようなエンゲルスの共産主義的家族論は、正に家庭崩壊を助長するものであり、フリーセックス社会を導くものにほかなりません。

 原始共産主義社会はフリーセックス社会であったという立場、そして一夫一婦制が経済的な支配のために成立したという立場から、真なる愛を中心とした一夫一婦制が成立する根拠はないのです。また唯物弁証法の「否定の否定の法則」から見れば、最初の段階である原始共産主義社会が否定されて、第二の段階である階級社会になり、それがさらに否定されて第三の段階である共産主義社会になります。その時、第三の段階は、高次元的に最初の段階に復帰するようになるのです。したがって、共産主義社会は高次元的な、文明の発達したフリーセックス社会になるはずです。

 マルクス主義では、家庭は階級支配の原点であると見ています。つまり、「家族のなかでは夫がブルジョアであり、妻がプロレタリアを代表する(※8)」のであり、夫が妻を支配し、搾取していると言うのです。毛沢東は、女性を家事労働から解放すべきであり、共産主義下では家庭は崩壊すると言いました(※9)。結局、マルクス主義は家庭を否定します。その結果は、愛の秩序も性の秩序もなくなり、性解放の社会にならざるを得ないのです。

 文鮮明(ムン・ソンミョン)師は、次のように語っています。

 共産主義は神がいないと否定しています。また、宗教をアヘンだといい、宗教を中心とした家庭を否定しています。これはサタンが宗教と宗教を中心とした家庭を通して、自分を屈服させようとなさる神様のみ旨を知って、共産主義を通して宗教と家庭を否定しているのです(※10)。

 家庭の基盤は愛であり、愛は神に由来するものです。したがって真(まこと)の愛の家庭を実現しようとすれば、結局、神を迎えるようになります。それに対して、サタンが役事する共産党は、家庭をなくして、家族をみなばらばらにして、人民公社のような所で共同の生活をさせて、共同で生産活動にいそしむように導きます。そして、人民の代表と称する共産党が人民を支配します。神を否定する共産党ですから、その背後からサタンが働き、結局、サタンが人民を支配するようになるのです。

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※7 フリードリッヒ・エンゲルス『家族、私有財産および国家の起源』(105~6)
※8 同上(95)
※9 楊継縄(よう・けいじょう)、伊藤正他訳『毛沢東・大躍進秘録』文芸春秋、2012(156~58)
※10 文鮮明『神様の摂理から見た南北統一』(132~33)

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 次回は、「ダーウィニズム/フロイト主義/フロイト左派」をお届けします。


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