https://www.kogensha.jp/shop/detail.php?id=4040

中和新聞セレクト Vol.2
真の父母様の平和思想~地球的危機克服の道

 統一運動の情報から国内外のニュース、各種講座に至るまで、さまざまなコンテンツを毎週2回(火、金)配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第2弾は「真の父母様の平和思想~地球的危機克服の道」(ナビゲーター:稲森一郎氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』2015年10月~2017年5月に全14回で配信されたシリーズです。

第7回 国連改革、国連刷新としての「アベル国連」の必要性〈3〉

(中和新聞 2016年6月21日 通巻871号より)

 本シリーズでは、人類が直面している様々な地球的規模の問題にスポットを当てながら、その問題点の本質を解説するとともに、真の父母様(文鮮明先生・韓鶴子先生御夫妻)の平和思想に基づいて、確かな方向性を提示します。今回は「国連改革、国連刷新としての『アベル国連』の必要性」(全3回)の第3回として、具体的な必要性について解説します。

▲世界135か国から210組のカップルが参加して開催された「ワールド・ピース・ブレッシング」(2001年1月27日、米国・ニューヨークの国連本部)

■「女性、児童の権利を守る」大義の下に「結婚と家庭」を破壊する国連
 国連は世界の平和を実現するための国際機構であるという観点から言えば、平和の出発点と言うべき「結婚および家庭」の意義と価値について、明確なメッセージを世界に発信しなければなりません。

 国連は「女子差別撤廃条約」(1979年)を採択し、「『女子に対する差別』とは、性に基づく区別、排除又は制限」(第一条)と規定。すなわち、いかなる男女の「区別」も差別であるとして、「差別となる習慣・慣行の修正・廃止」を求める内容を採択しました。

 しかし、この内容は「ジェンダー論」によるもので、その根底には過激なフェミニズムがあります。それは「抑圧からの解放」という視点において、共産主義思想と表裏一体を成しています。

 「区別」と「差別」を混同するラディカル・フェミニズムの考えに立脚するような条約内容を堂々と各国に押し付ける国連は、言わば、誤った考えを世界に広める司令塔の役割を果たしていると言わざるを得ません。

 日本は1980年にこの条約に署名し、1985年に批准しました。これによって、ジェンダー論の視点から、日本は「男女共同参画基本法」制定(1999年)へと突き進むことになり、男女の特性を認めず、男女の区別を廃する「ジェンダーフリー志向社会」、そして、社会制度を「家庭」単位から「個人」単位に変更する「ジェンダー主流化社会」を国家の政策レベルで実現するようになりました。

 さらに国連は「児童の権利条約」(1989年)を採択し、生存、保護、発達、参加という包括的権利を児童に保障することを謳っています。

 その内容は、子供を大人と同等の「権利の主体」として扱うという考え方、親の権限を矮小化し、大人とほぼ同じ権利を子供に与えるという内容、子供たちを親や教師と対立するように仕向ける考えなどが示されています。

 結局、児童の権利を守ると謳いながらも、親や教師と同等の権利をもつという内容から、師弟関係の破壊による学校崩壊、親子関係の破壊による家庭崩壊を招くような危険性があります。

 事実、1990年代から2000年代に入っての20年余りの間、日本の家庭および子供たちの状況は、非常に悪化していると言わざるを得ません。

 「女子差別撤廃条約」と「児童の権利条約」を世界のほとんどの国に締約させた国連の思想的過誤、政策的失敗は極めて大きいと言う以外にありません。

■無神論、世俗的人本主義の伏魔殿と化した国連
 平和構築のための正しい考えと思想を、国連は当然世界に示すべきですが、しばしば誤った考えを権威的な立場から各国に押し付けています。思想的な独断性が国連の意思決定に潜んでいると見られても仕方がありません。

 例えば、2008年から2014年まで「女性差別撤廃委員会」を指導する国連高等弁務官にナバネセム・ピレー女史が就任しましたが、彼女はラディカル・フェミニストであり、このような人物が要職に就くというような、国連の人選の在り方そのものが大いに問われるべきです。

 国連自体、多くの優秀なスタッフを抱えて仕事をしているはずであるにもかかわらず、無神論的、唯物論的、世俗主義的価値観が横溢している傾向にあります。人類の「結婚」と「家庭」を良い方向に導く力は、現在の国連には全くないと言ってよいでしょう。それどころか、むしろ結婚と家庭を破壊する力を秘めていると言えます。

 結婚と家庭を善導する力は宗教的な精神がなければできません。神を認める有神論に立脚し、宗教本来の人倫思想である神の愛の教えを受容する国連、すなわち「アベル国連」が生まれなければならないという決定的理由があるのです。

■「真の家庭」理想を核心的価値観として掲げる国連に
 2000年8月18日、国連本部における講演で真の父母様が明言された内容は、「真の家庭の理想によって人類は一つになる」ということです。

 「私は、様々な団体と組織を通じ、宗派と国籍を超越して、真の愛の教育を絶えず展開してきました。このように絶えず投入し、対話と和解の努力を展開した、過去数十年の歳月を通し、人類が一つになるための最も堅固な基礎は、正に真の家庭の理想から始まる、普遍的かつ核心的な愛であることが明確なものとなりました」(『平和経』「世界と国連が行くべき道」1397頁)。

 「真の愛の教育を通して真の家庭をつくる」という観点が国連になければなりませんが、それが全く欠落しているどころか、家庭理想と逆行するようなメッセージを発信する現実の国連である以上、国連が真の世界平和をつくり出すことはできません。

 宗教の価値、真の愛の価値を理解して世界の平和を創出する「アベル国連」が、実体的にでき上がったときに、人類の平和世界は可能となります。

 2001年1月27日、「ワールド・ピース・ブレッシング」がニューヨークの国連本部で挙行されたという出来事の中に、「結婚と家庭の理想」実現に取り組むべき国連の姿が示されています。「アベル国連」は理想家庭をつくり出す国連であるというのです。

---

 次回は、「青年は未来を創造する真の愛実践の主役〈1〉」をお届けします。

◆ ◆ ◆

※『中和新聞』のご購読は「ネットワン会員」「ファミリー会員」(光言社)にご登録いただくことで可能です。

詳細を見る