2021.10.06 17:00
家族の絆づくり 188
第6の習慣「相乗効果を発揮する」~シナジーを創り出す
ナビゲーター:阿部 美樹
「1+1」と「X×Y」の違い
相乗効果(シナジー)とは、「別々のものを組み合わせて個々の和よりも大きな成果を生むこと」です。
通常は、「1+1」は「2」もしくは「2以下」の成果として現れると考えます。しかし相乗効果は足し算ではなく「X×Y」という相乗の成果が現れることです。
自然界の植物は、互いに根を重ね、支え合って生きています。花とチョウも関わりながら生存繁殖しています。
このように、自然界に普遍的に見られるような、動物や植物がお互いに助け合って生きている生態系自体が相乗効果の姿であるといえます。
また、さまざまな楽器を組み合せながらつくり出されるオーケストラの音楽は、演奏する一人一人の力を合わせることによって素晴らしいパワーを発揮します。
演奏する人も、一人で演奏したときとは比べ物にならないほどの達成感や充実感を味わうはずです。
野球やサッカー、バスケットボールなどのスポーツにおいても、チームプレーは各個人がしっかりと役割を持ち、力を合わせることで大きな力を発揮します。
個人レベルで高い能力を持つチームほど高い相乗効果を生むことは言うまでもありません。
相乗効果を生み出す「ONE TEAM」
この相乗効果を仕事や普段の生活に意識的に取り入れることができれば、仕事や生活はどれほど充実することでしょうか。
重要なのは、皆それぞれが明確な「個性」を持っており、その「違い」があって初めて「大きな成果」に結び付くということです。
そのためには、「自分と相手との違いを尊重すること」が大切になります。自分と違う考えの「相手を受け入れる心」を持つならば、自分の意見も相手の意見も含んだ全く新しい「第三案」を生み出すことができるでしょう。
尊重と受け入れる心を持ってコミュニケーションを取れば、お互いのためになる創造的なアイデアが見いだされることでしょう。
「7つの習慣」を提唱されたコヴィー博士は、「相乗効果は人生において最も崇高な活動である。残りの習慣全てが身に付いているかどうかのテストであり、またその目的である」と述べています。
「7つの習慣」の目的は、「相乗効果を発揮する習慣」にあると言っても過言ではありません。
人間は一人で生きているようですが、全ての人が「関わり合い」の中で生存・繁殖・作用しています。
家族も「ONE TEAM」であり、学校、職場、地域社会も全て、相乗効果を生み出す「ONE TEAM」になることが大切です。