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家族の絆づくり 186
4の習慣「Win-Winを考える」~共に生きる道

ナビゲーター:阿部 美樹

「勝ち負けの競争」から「共同・協力」へ
 私たちは小さい頃から「勝ち負け」の二分法で考えることが多く、スポーツや勉強だけでなく、人間関係でも勝ち負けで考えやすいものです。

 多くの人が持っているパラダイム(ある時代に支配的な物の考え方・認識の枠組み。規範。/デジタル大辞泉)が「Win-Lose」です。
 これは「私が勝ってあなたは負ける」という考え方です。この考え方の危険なところは、価値の判断基準が常に相対的なものであり、他人との比較や、周囲からの期待に対する達成度でしか自分の存在意義を認められないことです。

 人生を、強いか弱いか、勝つか負けるか、食うか食われるか、といった「比較と競争」の概念で捉えがちです。

 「Win-Lose」だけでなく、「Lose-Win」という自分の負けに甘んじたり、「Lose-Lose」という互いにぶつかり合い両者ともに負けになるなど、関係性のバランスを崩していたら、持続的な発展はありません。

 互いに学び、互いに影響を与え、互いに利益を得るという姿勢が必要です。
 「競争」するだけでなく「共同・協力」することができれば、さらに豊かになる可能性があります。

両者にとって良いことが必ずある!
 そこで、常に勝者と敗者が生まれるような認識は捨てて、自分にとっても相手にとっても良いことを目指す姿勢が大切です。
 「あなたも勝ち―私も勝ち」という「Win-Win」の考えです。

 Win-Winは全ての関係において常に相互の利益を求める心と精神のことであり、お互いに満足できる合意や解決策を打ち出すことです。
 人生を競争ではなく、協力する舞台と見るパラダイムです。

 Win-Winを支える五つの柱があります。

 第1は、誠実で思いやりと勇気があり、人の成功を喜べる「人格」です。

 第2は、人格の土台の上に成り立つお互いの信頼の「関係」です。

 第3は、お互いの信頼関係の上に、それぞれが望む結果を得るための条件を受け入れる「合意」です。

 第4は、目標達成と目標達成能力のバランスを取るための「システム」です。

 第5は、相手の立場に立ち、課題と関心事を明確にし、納得できる結果を確保し、的確な選択肢を打ち出すという「プロセス」です。

 自分にとっても相手にとっても「望む結果が得られる解決案が必ずある」と信じて臨みましょう。