家族の絆づくり 184
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」~「終わり」とは?

ナビゲーター:阿部 美樹

どんな死の瞬間を迎えたいのか?
 『7つの習慣―成功には原則があった!』(キングベアー出版)の第2の習慣は、「終わりを思い描くことから始める」です。

 人生も仕事も「目標」や「ゴール」を描くことは大切なことです。車の運転でも行き先というゴールが明確になれば、最短コースを選び、より有効な時間活用ができます。ですから、何を目指すかは大切なことです。

 しかしここでは「ゴール」とは言わず、「終わり」と表現されています。人生の始まりが「誕生」だとしたら、終わりは「死」になります。

 人生における誕生と死は自分で選択できません。いつ生まれ、いつ死ぬのか。どこで生まれ、どこで死ぬのか。どのように生まれ、どのように死ぬのかなど、私たちに選択権はありません。選択できるのは、誕生から死までの間、「どのように生きるか」ということです。

 死は万民に必ず訪れます。その死の瞬間をどのように迎えるか。聖和式(葬式)の時に誰に参列してもらい、どのようなあいさつをしてほしいのか。どんな人だった、どんな人生だったとあなたは表現してもらいたいでしょうか。それを明確にすると、これからの人生の生き方が明確になります。

私はどんな役割・使命を果たすのか?
 人生の終わりが明確になったら、次は「どのように生きるか?」という問いに答えなければなりません。

 あまりにも本質的なことなので、その答えは簡単には出てこないかもしれません。時間をかけてでもそれを明確にし、自分はどうありたいのかを「言語化」することをお勧めします。

 それは、「私は〇〇のために□□で生きる!」といった、人生における「信念」「モットー」「マイルール」です。「人生のキャッチコピー」とも言えます。
 これらを「ミッション・ステートメント」と表現します。これは自分の憲法であり、全ての価値観の土台になります。

 「何事も諦めない」「必要とされる存在になる」「他人の話を聞く」などの簡単な表現でも良いでしょう。これらは意思決定の判断基準となり、行動の軸となることでしょう。

 企業であれば「社訓や社是」に当たるものです。
 ユニクロなどのアパレル事業を統括する株式会社ファーストリテイリングでは、「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というステートメントを掲げています。

 個人でも、「私は何をする使命・役割があるのか?」を改めて考えてみましょう。