家族の絆づくり 183
第1の習慣「主体的である」~発展的な生き方とは?

ナビゲーター:阿部 美樹

「対象意識」から「主体意識」への転換
 前回に引き続き、成功の原則を説いた書籍『7つの習慣―成功には原則があった!』(キングベアー出版)を一つずつ確認してみましょう。

 第1の習慣は全てのスタートですから、土台となる大切な習慣になります。
 第1の習慣は、「主体的である」ということです。「主体的」の反対は「対象的」です。簡単に言えば、「対象意識」から「主体意識」への転換です。

 しかし主体格位を持った真の主体者になるためには、対象格位を持った真の対象者になることが前提条件になります。対象者になることが駄目なのではありません。対象的な姿勢で環境に振り回されてはいけないということです。

 例えば、「お金がないから買えない」「時間がないからできない」「能力がないから失敗した」「〇〇さんの言葉に傷ついた」「上司の言葉でやる気がなくなった」など、他人や環境のせいにする姿勢が問題です。

 このように、不平不満を言う割には何もしない人、愚痴を言って憂さ晴らしをしている人、いつも敵をつくっている人、できない理由ばかり考える人、自分の可能性を諦めている人などには成長と発展はありません。

「選択する」能力と自由
 最も大切なことは、「対象的になって責任を放棄する」のではなく、「主体的になって責任を持つ」ことです。

 人生の成長と発展を決定するのは「責任感」です。自分の人生を他人任せにするのではなく、自分にできることを考えること、可能な限り自分でコントロールする選択をすることが必要です。

 仕事がうまくいかない状況に対して、自分がどんな感情を持つ選択をするのか。自分を困らせる人に対して、自分がどのような行動を選択するのか。親に反発する子供に対して、親としてどんな姿勢を選択するのか、など、「全て私に選択権がある」のです。

 動物は外部からの刺激に対して本能で反応することしかできませんが、人間は刺激に対して「反応を選ぶ能力」が与えられています。
 言い換えれば、外部の刺激と反応の間には「選択の自由がある」ということです。

 「私の人生の責任者は私である」という意識で、他人や環境に支配されるのではなく、自分の人生を自分でどうしたいかを考えることです。