家族の絆づくり 11
心の潤滑油、幸せのスイッチの「笑顔」

ナビゲーター:阿部 美樹

笑顔は幸せのバロメータ
 関係性が良好な家庭は「笑顔」にあふれ、葛藤と衝突の多い家庭は「笑顔」が見られない、というように、笑顔は幸せのバロメーターといえます。笑うと脳内ホルモンであるエンドルフィンが分泌され、幸福感を感じるようになっています。
 人は楽しいことがあると笑顔になりますが、一方で、笑顔をつくると楽しくなるともいえます。人間の顔の表情筋は、自分の意志で動かすことができる随意筋なので、自分の意志で笑顔をつくることができるからです。
 笑顔は自律神経のバランスを整える効果もあり、特に、副交感神経に働き掛けて血圧を下げ、心拍や呼吸を落ち着かせて、心身をリラックスさせます。人間関係においても相手に安心感を与えコミュニケーションを円滑にしてくれます。

写真はイメージです

笑顔をつくる愛の実践
 「お腹を抱えて笑う」というように、笑う時は腹式呼吸になり、健康にも良い効果があります。酸素をたくさん取り入れて、血液の流れがとても良くなり、横隔膜を働かせるため、胃腸の消化機能も良くなります。
 笑うことで、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)という免疫力をつかさどる細胞を活性化させたり、脳の血流が増加し、血管が詰まって起こる脳梗塞や痴呆の予防、回復にも役立つといわれています。さらには、笑顔は顔のたるみを予防するエクササイズにもなり、顔を引き締めるなど、美容にも非常に効果的です。
 このように、笑顔をつくること、相手が笑顔になれるように働き掛けることこそ、家庭に健康と幸せを招く愛の実践です。