2021.07.26 17:00
ファミリーサポートコーチング講座
「ファミリーサポート(FS)コーチング講座」は、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。
第26回 考える脳と感じる脳
ナビゲーター:西森 響
監修:阿部 美樹(伝道教育局)
今回は、「考える脳と感じる脳」についてお伝えします
【脳の知的機能と情的機能】
脳には、考える脳(知的機能)と感じる脳(情的機能)があります。事情・状況を把握するのは考える脳・理性であり、気持ちを共にするのは感じる脳・感情です。
日常生活の中では理性を中心に物事を理解しようとすることが多いのですが、FSコーチングでは、考える脳と感じる脳の両方を同時に駆使していきます。慣れないと両方の機能を駆使することはなかなか困難ですが、脳は筋トレと同じように、トレーニングによって能力の向上が可能です。
【感じる脳を使って傾聴する】
良い聴き手になるには、まず考える脳よりも感じる脳を使って相手の気持ちに焦点を当てて傾聴する努力が必要です。相手の情の世界に意識を集中し、深い心の世界を感じられるように傾聴していきます。
そうすると、初めのうちは情に集中しているため、相手の話が知的に把握できなくなったり、事情・状況がよく分からなくなったりすることがあります。
しかしそれでも何度か繰り返していくと、段々と情的機能が向上してきて、全エネルギーを注がなくても感じられるようになります。
【次に考える脳を向上させる】
余裕が持てるようになったら、並行して知的機能・考える脳にも意識を傾けていきます。先に情的機能を高めてから、その後に並行して知的機能を向上させるトレーニングを行うことがポイントです。
『【新版】統一思想要綱 頭翼思想』(631ページ/統一思想研究、光言社刊)に記載されているように、「心情を動機として愛を実現するために、目的を立てて、その目的達成のために考えるのが本来の思考のあり方」だからです。
【言外のコミュニケーション】
私たちの会話は理屈の積み重ねではなく、情の表現がメインの流れとなっているようです。
ある事柄について相手が話すとき、その裏にはその人がその事柄について感じる気持ちや感情が存在しています。そしてその気持ちや感情は、その人の口から文字どおりに表現されることもありますが、言外のコミュニケーションとして、身体の動き・表情・声の調子に表れることもあります。
【合いの手を入れる】
そのような言外のコミュニケーションをスムーズに行うには、感じる脳を先立てて用いることが必要です。
話し手の気持ちに十分に共感できるようになると、感情の自然な流れが見えてきますので「うれしかったでしょう」「つらかったでしょうね」「寂しかったでしょうね」「そうなんですね」というような合いの手を入れることができます。
その合いの手があると、話し手は話しやすくなります。聴き手の感じる脳が適切に働いて会話の流れをつかめるようになると、そのような感じる脳が働く土台の上で、考える脳は、事情・状況を把握するように機能します。
従って、感じる脳を訓練してから考える脳を訓練することで、より良い聴き手になれるということが言えます。
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次回は、FSコーチングのセッションを受けた30代男性の感想をお届けします。
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