家族の絆づくり 177
「本当にやりたいこと」を見つける二つの方法

ナビゲーター:阿部 美樹

あなたの嫌いなことは?
 「あなたはこれからどうなりたいですか?」「あなたはどうしたいですか?」という質問をしても、答えられない人がいます。
 「自分の心が求めること」「自分のやりたいこと」が曖昧で明確に分からないということです。このような場合は、次の二つの方法で明確にすることができます。

 第一の方法は、求めていることではなく「自分の心が求めていないこと」「自分の人生に必要のないこと」を考えてみることです。

 嫌な人、嫌な状況、嫌な人間関係など、嫌だと思うことこそが、自分の本当の望みを明確にする鍵となります。
 光を通して影の存在を知り、影を通して光の存在を知ることができます。

 同じように、嫌なことが分かれば好きなことも明確になるということです。
 例えば、嫌な状況を思い浮かべると、どんな状況だったらいいのかというイメージが湧いてきますし、嫌なタイプの人を思い浮かべると、どんな人が理想なのかが明確になってきます。その願っていること、理想の状況を語るときは、心がワクワクして喜びが湧いてくるので、心で感じ取ることができます。

あなたはどんな死を迎えたい?
 第二の方法は、「死の直前を思い浮かべる」ことです。

 死の直前に「人生を振り返った時、何もやり残したことはない、全く悔いはない」という思いを持つためには、どのような人生を歩むのかを考えます。
 悔いが残らないほど、やりたいことを全部やった状態、死の直前に「楽しかった」と振り返ることができる状態になるためには何をするかを考えます。

 「今やっていることは本当にやりたいことだろうか?」「この人間関係は自分の人生に必要だろうか?」と考えてみましょう。
 すると本当に自分がやりたいこと、自分が喜ぶことが見えてきます。そうすれば、今までやりたくてもできなかったことに挑戦したり、本当は嫌だった人間関係に距離を置いたりするなど、自分の行動が変化していくことでしょう。

 自分が本当に望むことを常に意識しながら生活すれば、周りの人の目を気にしたり言葉に振り回されたりしなくなります。
 「自分がどう思っているのか」「自分はどのようなことを望んでいるのか」を大切にすることこそ、自分らしく生き、自己責任で生き生きと生きる人になります。