2021.07.02 22:00
【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!
第46回 より効果的な叱り方を教えてください
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回の質問は、「より効果的な叱り方を教えてください」という質問です。
最近は、「褒めることの大切さ」や「褒め方の工夫」に関する本が多く出版されるなど、褒めることが強調されています。
その一方で、「正しい叱り方が分からない」「叱っていいのだろうか」と、叱ることに対して悩む人も多くいます。
相手の良いところに注目することや褒めることはとても大切ですが、かといって叱ってはいけないということではありません。
ただ、誤った叱り方をしてしまうと、人間関係の悪化や、相手のモチベーションの低下につながることもあります。
本来、「叱る」というのは「責める行為」になるのではなく、「相手の可能性を広げる」ためのコミュニケーションになるべきです。
ですから、「叱る」のは、相手の成長や望ましい行動を促すきっかけをつくってあげることであり、それはあくまでも相手本位の動機で行うことが重要です。
従って、叱るときには、相手を「説得」しようとするよりも、相手が「納得」できるようにしてあげることが大切です。
しかしこのときに「許せない」という感情が先立ち、相手を強く説得しようとする自分本位の動機になると、それは「怒る」ということになってしまい、本来の叱り方から外れてしまいます。
効果的な叱り方のポイントを五つ紹介します。
第1は、タイミングと場所を決めることです。
叱るときは、相手が話を受け止めやすい場所を選んで行うようにします。
人前で叱ることは相手のプライドを傷つけてしまうので、一対一になれる場所で行うのがよいでしょう。
話はその場ですぐに伝えると心に響きやすいのですが、相手に心の余裕がなさそうなときには、場所を変えたり、日を改めたりして、後から伝えることも必要です。
第2は、主観を入れずに事実の確認をすることです。
最初にすべきことは事実の確認です。
失敗したことや誤ったことに対して、「やる気があるの?」「だから駄目なんだ!」「そんなこともできないの!」などのような主観を入れず、互いに事実が確認できるまで話をします。
第3は、本当の気持ちを伝えて感情の共有をすることです。
事態を把握できたら、次はそれに対して自分が何を思ったかという気持ちを伝えるようにします。
「怒り」ではなく、その根底にある「心配していた」「残念に思った」「期待していたのに落胆した」という自分の本当の気持ちを伝えることです。
そうすれば、より建設的なコミュニケーションを取ることができるようになるでしょう。
第4は、具体的な行動を示し望ましい行動を共有することです。
事実を確認して気持ちを伝えた後は、改善するべき具体的な行動を示します。
行動案を提示したり、一緒に考えたりして、どのように行動するのかを決めましょう。
叱るというのは、相手の性格や考え方を叱るなどの「心の否定」をするのではなく、「行動を改善する」ことにこそ意味があります。
できるだけ具体的に、改善するべきことを伝えてみましょう。
第5は、相手を前向きな心に導くことです。
最後は、励ましたり、褒めたりしながら、改善したときのメリットを強調するなどして、相手の気持ちが前向きになれるように導きましょう。
人間の行動は、感情の影響を強く受けています。
不快な感情のときには消極的になり、行動に移さない可能性もあります。
その半面、相手を快い感情に導くと、積極的になり行動に移しやすくなります。
皆さんからの質問をお待ちしています。
「人生相談Q&A」で、ほぼ5分でお答えいたします。
また、お会いしましょう!