家族の絆づくり 172
「相談」によって悩みを解消する

ナビゲーター:阿部 美樹

相談する三つの目的
 悩みを抱えている場合、誰かに相談することがあります。
 誰かに相談する人は、自分で解決する能力がない、行動力がない、意欲がない人ではないかと捉えられがちですが、そうとも言えません。

 相談することは幸せになるための有効な手段です。
 一人で悩まず、心を開いて相談する勇気を持つことも必要です。

 誰かに相談する目的は三つあります。
 第一の目的は、「問題解決のため」です。
 専門家や信頼できる人に相談し、助言やアドバイスをもらい、それを参考にして問題解決をしようということです。

 第二の目的は、「悩みを理解してほしい」からです。
 人によってはアドバイスよりも「共感」が欲しいということがあります。一人で悩んでいるよりも、苦しみや葛藤を共感してくれる人がいるだけで解決に向かう力となります。

自分の中にある答えを見いだすための相談
 第三の目的は、「自分の中にある答えを見いだすため」です。
 相談の中で助言やアドバイスをもらったとしても、それはあくまでも参考意見です。アドバイスは自分が考えたことではないので、当事者意識が薄く、責任感も弱いものです。

 例えば、アドバイスされたとおりに行動したけれども、良い結果が出なかったとします。その時に、再び人に頼ろうとせず、自分でどうしたらいいのかを責任を持って考えなければなりません。自分自身の判断で行動してこそ、責任心情が育まれて成長するようになるからです。

 相談を通してアドバイスをもらう以上に、自分の中にある「本当にやりたいこと」「やるべきこと」に気付いたり、見いだしたりすることが大切です。
 さらに、それに取り掛かるために、納得したり、腑(ふ)に落ちたり、やる気という意欲を持つことができたらモチベーションも高まります。

 自分の心と対話するためにも相談をしてみてはいかがでしょうか。