家族の絆づくり 167
変化するリーダーシップ

ナビゲーター:阿部 美樹

「トップダウン型」から「ビジョン型」へ
 幸せな家庭を目指して「真の親」になること、豊かな組織を目指して「真の主人」になること、正しい人生を目指して「真の師」になること、この三大主体は万民が目指すべき目標です。

 主体とは「リーダー」です。リーダーとは組織の責任者や企業経営者など一部の人だけの話ではなく、万民がなるべき立場です。責任分担を果たして成長するのが人間であるように、「責任者」になることを通して成長するようになります。

 今までの一般的なリーダー像は、「トップダウン型リーダー」でした。そのリーダーには、課題解決や意思決定に対する「答えという結論」と、「答えの正しさ」を明確に意思表示できる能力が必要です。

 リーダーが答えを持っていますから、リーダーからの指示・命令が迅速に末端まで行きわたる縦的に連係した組織が大切になります。

 しかし時代の流れとともに、理想と夢を末端まで共有することを心掛ける「ビジョン型リーダー」が必要だといわれるようになりました。

 目標が達成された将来像を鮮明に描いて、全体がそのビジョンを共有できるようにします。リーダーはビジョンに基づいて、行くべき方向性と役割を共有できるように導く能力が必要です。

最大の能力を引き出す「デザイン型」へ
 さらにこれからの時代は「デザイン型リーダー」になるべきともいわれます。
 会社でいえば、上司が部下のパフォーマンスを引き出す環境をつくる「デザイン力」が必要だということです。

 今までは、「ピラミッド型組織」において上司から部下に指示・命令が下され、部下は上司から与えられた仕事を全うする形態でした。
 しかしデザイン型リーダーは「逆ピラミッド」の考えで、「主体は部下」という意識で導きます。だからといって指示してはいけないわけではありません。

 初心者には「指示型スタイル」が必要です。徐々に慣れたら「提案型スタイル」でヒントを与え、できるようになったら「援助型スタイル」で必要な時だけフォローするようにします。熟練したならば「委任型スタイル」で信じて任せてみることです。

 このように、状況に合わせてスタイルを変化させて、部下のパフォーマンスを最大化できるように導くことです。
 これらの内容は、組織におけるリーダーシップだけでなく、家庭や学校でも同じことが言えるでしょう。