家族の絆づくり 166
悩みをなくす三つの心掛け

ナビゲーター:阿部 美樹

「悩みやすい性格」と「悩みにくい性格」
 悩みやすい性格の人は、無意識に「悩みやすい心掛け」を持っています。その心を反対に転換すれば、「悩みにくい性格になる」ことができます。

 悩みにくい性格、悩まない性格になるための「三つの心掛け」を紹介いたします。

 第一の心掛けは、「自分がコントロールできることのみに集中する」ことです。
 自分がコントロールできるのは、自分自身の判断と行動のみです。しかし、相手の考えや行動、過去の出来事、自然現象など、自分がコントロールできない領域まで考えて変えようとするので葛藤が生じます。

 変えられないことまで変えようとするので悩みがなくなりません。まずは、自分の課題と自分以外の課題を分ける「課題の分離」が必要です。そして、コントロールできないことまで介入しないことです。

 第二の心掛けは、「事実を受け止める」ことです。
 目の前の人や出来事に対して「ありのままに」受け止めることができたら心は平安ですが、何事も自分で「判断・評価」する傾向があります。

 無意識に「〇×感覚」で「良いこと」「悪いこと」と判断して一喜一憂します。「悪いこと」「不快なこと」「嫌なこと」など、「×をなくさなければ幸せになれない」と錯覚しています。しかし、事の善しあしを判断せず事実を受け止めて、「自分はどう行動するか」だけを考えた方が楽に生きることができます。

何に焦点を合わせるかで「真実」が決まる
 第三の心掛けは、「物事のポジティブな側面に目を向ける」ことです。

 ネガティブな側面を意識して、ネガティブな意味付けをすると、「ネガティブな人生である」と認識し悲観的な生き方となります。
 反対に、ポジティブな側面を意識して、ポジティブな意味付けをすると、「ポジティブな人生である」と認識し、自信と誇りを持った生き方になることでしょう。

 つらいこと、受け入れにくいことが起こった場合は、次のような質問を自分に投げ掛けてみましょう。

 「このことから何を学び、今後にどう生かすことができますか?」
 「このことによって、今後起こり得るポジティブな出来事は何ですか?」

 このように、自分がコントロールできることに集中し、事実を受け止め、ポジティブな側面から見つめる習慣を身に付けていきましょう。