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中和新聞セレクト Vol.1
真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道

 統一運動の情報から国内外のニュース、各種講座に至るまで、さまざまなコンテンツを毎週2回(火、金)配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第1弾は「真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道」(ナビゲーター:魚谷俊輔氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』2017年5月~2019年11月に全24回で配信されたシリーズです。

第8回 食糧問題解決の道を開いた文鮮明・韓鶴子総裁ご夫妻

(中和新聞 2017年12月15日 通巻1020号より)

 人類が直面している重要課題の1つが、食糧問題です。今回(第8回)は、今後の人類の食糧事情を展望したうえで、文鮮明・韓鶴子総裁ご夫妻(真の父母様)が、この問題の解決のために取り組んでこられた内容について紹介します。

■食糧の不公正な分配が問題の本質
 国連の「ミレニアム開発目標(MDGs)」(20009月)の「目標1・ターゲット1」に「1990年から2015年までの期間に、飢餓に苦しむ人口の割合を半減させる」とあります。

 その結果はどうだったのでしょうか。「1990-92年」の時点で飢餓に苦しむ人々の割合は23.3%で、「2014-16年」の時点で12.9%となり、約半分に減っています。ですから、この目標に関しては「ほぼ達成した」と言ってよいでしょう。

 しかし、今なお約8億人が栄養不良状態にあると言われ、その数は世界人口の9人に1人に相当します。したがって、飢餓の問題の解決に向けた、さらなる努力が必要なのです。

 では世界的に見て、食糧は果たして不足しているのでしょうか。実は、世界の穀物総生産量をカロリーに換算し、これを世界の総人口で割ると、1人、1日当たりの穀物量は3000キロカロリーを超えています。これは大人が1日に摂取する食料エネルギーとして十分な量です。したがって食糧問題のポイントの1つは、公平で効率的な食糧の分配にあるのです。

 現在、世界中でおよそ5人に1人は、必要なエネルギー量以上の食事を取っており、その結果、肥満症になっています。その一方で、ほぼ5人に1人は飢えているか、または一定の栄養素が不足した食事を余儀なくされています。

 そのため、食糧不足の解決に向けて、「食べ過ぎている人々の食糧を、不足している人々に分けるべきだ」という声が上がっているのです。

■科学技術の発達による問題解決の道
 食糧問題を解決するもう1つのポイントは、科学技術の発達です。

 地球上で増え続ける人口に対して、食糧生産は追いつくことができるのでしょうか。人口問題の専門家たちは、2050年までに人口が90億人を超え、100億人に迫るだろうと予想しています。どのようにして90億人の食糧を確保していくのかが、当面の重要課題です。

 これまでも、人口の急激な増加によって飢餓が発生する可能性がありました。そのような時に人類を救ってきたのが、科学技術の発達です。

 その1つが農業における化学肥料の開発でした。その代表的なものが、「ハーバー・ボッシュ法」による窒素肥料の生産です。これは大気の78%を占める窒素を水素に結合させてアンモニアを作る方法ですが、窒素肥料の導入により穀物の生産量は2から3倍に増えました。

 もう1つが「緑の革命」です。これは、植物の品種改良、灌漑、農薬、機械化の4つを組み合わせることで、農地の生産性を飛躍的に向上させることです。特にアジアはその恩恵を大きく受け、1961年から2001年までに穀物の全生産量が3倍近くに増加しました。

 それでは、21世紀前半の食糧事情はいったいどうなるのでしょうか。果たして90億人を超える人々を食べさせていけるのでしょうか。現時点では、その質問に対して「イエス」とも「ノー」とも言えません。

 確実なのは、これからの数十年間で世界の食糧需要が急激に増えるということです。専門家は、2010年を基準として、食糧需要が2030年までに50%増加、2050年までに倍化すると試算しています。その理由は次の2つです。

 1つは、食べさせなければならない人口の増加。もう1つは、開発途上国が豊かになることによる、人々の食事コストの上昇です。

■海に解決策を見いだした文鮮明総裁

▲韓鶴子総裁から「鮮鶴平和賞」のメダルを 授与されるモダドゥグ・グプタ博士

 このような中、文鮮明総裁は海に問題解決の活路を見いだし、開拓の道を歩んできました。

 「食糧問題は、今後人類に非常に深刻な危機をもたらすでしょう。なぜならば、限りある陸地で生産されるものだけでは地球上の人類をすべて食べさせることはできないからです。

 ですから、海にその解決策を見いださなければなりません。海は未来の食糧問題を解決できる鍵です。私が数十年前から絶えず海を開拓してきた理由もここにあります。食糧問題を解決しなければ、理想的な平和世界を建設することはできません」(『平和を愛する世界人として』〈光言社文庫版〉342頁)

 文総裁は、具体的には魚を粉にした「フィッシュ・パウダー」の開発を通して貧困の撲滅に取り組まれました。

 こうした文総裁の遺志を受け継ぎ、韓鶴子総裁は世界平和の実現に貢献した個人または団体の功績を表彰する「鮮鶴平和賞」を創設し、その第1回受賞者に食糧問題の解決に貢献した人物を選ぶように提言されました。

 韓国ソウル市内のホテルで行われた「鮮鶴平和賞」第1回授賞式(2015828日)では、受賞者の1人に、南アジア・東南アジアの極貧地域に魚の養殖技術を普及させ、人々の栄養状態改善と経済的自立に貢献した、インドのモダドゥグ・グプタ博士が選ばれました。

 グプタ博士は、比較的低コストで良質な動物性タンパク質が得られる水産養殖が、貧しく飢えた人々の栄養状態の改善に重要な役割を果たし得ると予見。彼らにただ魚を与えるのではなく、魚の養殖方法を教え、自立と自給自足という奇跡を起こしたのです。博士が開発した養殖方法と技術は、水産資源の爆発的な増産を実現し、今日「青の革命」として知られています。

 今後も、天宙平和連合(UPF)をはじめとする統一運動は、人類の食糧問題の解決に向けて継続的に取り組んでいきます。

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 次回(5月12日)は、「日本の発展とアジアの平和のための『日韓トンネル』」をお届けします。

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