2021.04.21 17:00
家族の絆づくり 164
長所と強みに注目する方が発展する
ナビゲーター:阿部 美樹
長所と短所は善悪ではない
「人間は誰でも長所と短所がある」という言葉を聞くと、「長所は良い面」であり、「短所は悪い面」と捉えがちです。
しかし長所と短所は、「善悪」ではありません。神が人間を創造した時、それぞれの人に善悪両面の個性を意図的に与えられたのではありません。
人間は誰もが「個性真理体」として、神の個性がそのままの姿で実体化された神的価値を持つ存在です。ですから、どんな人でも神が創造した善なる個性を持った存在と言えます。
長所と短所は善悪に捉えられやすい傾向がありますが、光と影という「陽陰の関係」であり、どちらも善なる個性なのです。しかし一般的な考え方からすると、成長するためには「短所是正」という短所をなくす努力が必要であると捉えます。
短所をなくそうと意識する人ほど、できないことに焦点を当てた「減点主義」となり、悩みの多い悲観的な人生になることがあります。
反対に、できることに焦点を当てた「加点主義」の人は、常に長所を意識しているので、「長所伸長型」の前向きな生き方になります。
「強み」は「弱み」の裏返し
本来は「陽陰が中和する姿」こそ、神様が願われた本然の姿ですから、長所も短所も両面を承認する「全肯定型」の生き方こそ、幸せな人生になることでしょう。
「陽陰」は「表裏一体」という言葉のように、紙一重とも言える関係です。まさに、短所だと言われる面も見方を変えたら長所にもなるということです。
例えば、「太っている」は「貫禄がある」、「痩せている」は「スマートである」と言えます。「頭が固い」は「芯が強い」、「威張っている」は「自分に自信を持っている」、「うるさい」は「にぎやか」と言えます。
さらに、「臆病者」は「思慮深い」、「変わっている」は「個性がある」、「協調性がない」は「自主性がある」、「口が悪い」は「ストレートな表現力」など、どんな短所でも見方を変えれば、長所とも言えます。
それ故に、個性を磨くとか、個性を伸ばすということは、長所や短所にかかわらず、「強みを伸ばす」ことであると言えるのではないでしょうか。
強みを考えているだけで、弱みは意識しなくても補われます。
「強み」は「弱み」の裏返しです。「強みの強化」こそ「弱みの克服」につながります。強みに焦点を当てた方が、個人は意欲的な人生となり、組織は活性化して発展するようになります。