家族の絆づくり 163
自分で変えられない悩みを解決する方法

ナビゲーター:阿部 美樹

二種類の悩み
 人はその時々にさまざまな「悩み」を抱えています。しかし全ての悩みを解決できるわけではありません。自分の力ではどうにもならない悩みもあるのです。

 悩みには「自分で変えられる悩み」と「自分で変えられない悩み」があります。
 「自分で変えられる悩み」に対しては、自分で変えられるものを明確にして、そこに意識を集中し、時間を投入していくことです。

 自分で変えられるものは、「未来の出来事」とその主人公である「自分自身」です。自分が成長するという変化を通して希望的な夢、目標の実現など、未来を創造していくことができます。

 問題は、「自分で変えられない悩み」を解決する方法です。

 例えば、「過去の出来事」を変えることができるでしょうか。過去に戻ることができないので、どんなに悩んだとしても過去を変えることはできません。変えようとしても、変えられるものではないのですから、悩みはいつまでもなくならないのです。

 「人間関係」に悩んだ場合も、相手がいることなので自分だけではコントロールすることはできません。相手を変えようとしても、変わるかどうかを決定するのはあくまでも相手自身です。

変えられなくても解決できる
 このように、「自分で変えられない悩み」は変えることはできませんが、解決することはできます。

 過去や他人を変えるのではなく、自分の「見方、捉え方」を変えて解決する道があります。
 悩んでいる人は、過去の出来事や相手に対して、「〇〇のせいで不幸になった!」「〇〇がなかったら幸せだったのに!」と捉えがちです。
 しかしそれを「〇〇のおかげで幸せになった!」「〇〇があったから気が付いた! 成長した!」とポジティブに言い換えてみることです。

 悩みの種である出来事や相手も、見方を変えると、私の成長のために与えられたものであったり、私に必要なものを気付かせるきっかけであったりすることがあります。
 人は誰もが意味のない無駄な苦労はしたくないと思っていますが、そこに何か意味を見いだせれば、その苦労も貴重なものになります。

 このように、過去の出来事や相手に対して認識を変化させて悩み事を解決していきましょう。