家族の絆づくり 9
いい子なのに不登校になる子供

ナビゲーター:阿部 美樹

不登校とひきこもりの増加
 文部科学省の統計によると、不登校の児童・生徒(小中学生)が2016年には134398人で前年比8407人増となり、4年連続で増加しています。
 また、内閣府の2010年の統計を見ると、大人も含めた「ひきこもり」は236000人になり、「普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」という準ひきこもりも含めると、驚くことに、合計696000人と推計されています。不登校やひきこもりは、日本が抱える大きな社会問題となっています。


写真はイメージです

任せる、責任を待たせることで成長
 不登校の原因の一つに「自発性の発達の遅れ」があります。不登校児童の幼児期は「素直でおとなしくて行儀が良かった」という子供が圧倒的に多いのが特徴です。
 子供らしいわがままや自己主張をせず、我慢して聞き分けの良い子供を演じるのですから、親から見れば手がかかりません。しかし、我慢する中で自分の本当の気持ちを見失ってしまいます。
 自発性とは、自分で自分のしたいことを発見し、他人に頼らずにそれを実現していく力です。自発性が順調に発達している子供は生き生きとして意欲が盛んです。親の考えを一方的に子供に押し付けることなく、子供に任せる、責任を持たせることが大切です。そうすれば、子供は自分の人生に責任をもつ力を身に付けていくことでしょう。