家族の絆づくり 155
心の道先案内役になる「質問」

ナビゲーター:阿部 美樹

簡単に意識転換できるコツ
 人生の中で、心がワクワクしている状態やウキウキしている状態を維持することができれば幸せです。
 しかし生活の中には、悩みがあり、課題があり、困難も多くあるので、そう簡単ではありません。

 それでは、その心をコントロールする方法はないのでしょうか。
 効果的な変化をもたらすものとして「質問」があります。人は誰もが、質問を受けるとその答えを探そうとする特徴があります。

 「今朝、食事をしましたか?」というすぐに答えられる質問から、「あなたの将来の夢は何ですか?」というしばらく考えないと答えられない質問まで、さまざまありますが、人間にはどんな質問に対しても無条件に答えようとする特徴があります。

 質問の内容によって意識することが変化し、見つめる観点が変化し、考える深みが変化します。快・不快の感情まで、質問によって変化するものです。

 例えば、「今日の一日が最高にハッピーだと言えるためには、どのようなことがあったらそのようになりますか?」という質問を受けたとしましょう。

 すると、何か良いことが起こるという予兆がなくても、ハッピーな姿、うれしい場面、喜んでいる瞬間をイメージし始めることでしょう。
 その瞬間から意識は「悩み」から「幸せ」に変化し始めます。

一人でもできる質問の工夫
 このように、質問には人生を左右する「道先案内役」としての特徴があります。
 車の運転で例えるならば、行き先をコントロールする「ハンドル」のような役割です。

 「あなたが一番実現したい願いは何ですか?」という質問をするなら、何事もうまくいかずに悩んで落ち込んでいる人でも、「私の願い」に心の焦点が当てられていきます。
 悩んでいる人は「私の悩み」に心の焦点が当てられ、悩みに押しつぶされてしまうことが多くあります。

 半面、幸せな人は「私の願い」に焦点が当てられ、願いを実現するためにエネルギーを投入するようになります。

 このような質問は、誰かに質問してもらうことで対話が成立しますが、自分で質問して自分で答えを探していく「セルフコーチング」も効果的です。

 質問を通してテーマを設定し、ゴールを明確にして方法手段を模索する。実現までの期間や期日まで決めることができれば、豊かなイメージが湧いてくることでしょう。