米国で水産担当となった羽原さんが、釣りを通して真の父母様に侍ったときの証しの一部を紹介します。(1988年12月、米国、コロンビア川)
運命の2日目のことです。韓国の先生から「10分くらい走ったら止めるように。岸から離れてはいけない」と言われました。そして、韓国の先生が、「真のお父様に『ここがベストポイントです』と報告してください」と言うのです。
私は前日、真のお父様から「良いポイントを探すように」と指示を受けて準備していたのですが、韓国の先生がおっしゃるとおりにお父様に申し上げると、不思議にうなずかれました。真のお母様の体調を気遣って、岸の近くに停船したことをすでにご存じだったのです。
船内からは、真のお母様に付き添われている子女様が、お母様に甲板には出ないでくださいとお願いしているのが聞こえてきました。それでも、お母様は甲板に出てこられたのですが、お顔は血色が悪く蒼白でした。
真のお父様はご自身が懐で温めた座布団を真のお母様に渡され、お母様用の釣り糸を水面に投げ入れて手渡されました。それからわずか1分後、お母様のさおに当たりが来たのです。お父様はお母様のさおを一緒に持たれ、お母様はリールを必死に巻かれました。そのうち、お母様のお顔に赤みがさし、体調が少し戻ってこられたごようすでした。
そうして釣り上げたのがグリーンスタージョンの雌でした。船全体が歓喜に沸き、それまでにない感動を味わいました。次の瞬間、今度は真のお父様のさおに当たりです。なんと、グリーンスタージョンの雄が釣れたのです。神様は雄雌2匹のグリーンスタージョンを備えておられたのです。
船着き場に戻った後、真の父母様ご一行はシアトル教会に向かわれました。私は残って漁師と共に漁船の掃除をし、漁師に謝礼金を出しました。ところが漁師は、「お金は要らない」と言って受け取りません。
そして彼が「一つだけ教えてくれ、あの人は誰なのかを」と尋ねるのです。私は、「レバレンド・ムーンだ」と答えると、「やはり、そうか! では、あの貴婦人はミセス・ムーン?」と言うので、「イエス」と答えました。彼は、「とても優しそうなお方だった。幸運の女神が自分の船に乗ってくれた。今回のような奇跡は俺の人生でも、この港でも初めてのことだ」と感激していました。
彼の言ったのは事実で、釣れる季節ではないときにグリーンスタージョンが釣れて、釣れるポイントではない所で、糸を投げ入れるや否や釣れたのですから、奇跡以外の何ものでもないのです。
『世界家庭』2018年5月号のご購入はコチラ
『世界家庭』の定期購読はコチラ