ある日、年老いたアブラハムは年長のしもべを呼んで言いました。「この地に住んでいるカナン人の娘をイサクの花嫁に選んではいけません。わたしの故郷に行き、親族の家から探し出して、連れて帰りなさい」。これで神様の約束が果たされるとアブラハムは信じていました。忠実なしもべは、主人アブラハムから任された使命を果たすことを誓って出発しました。
ハランにあるナホルの町に着いた時、しもべは神様に祈りました。祈り求めたとおり、そこに現れたのが親族の娘リベカでした。神様の導きを感じたしもべは、リベカの家族に事の経緯を説明し、主人のために結婚の申し入れをしました。
しもべの話を聞いたリベカの父と兄は受け入れて、「神様がお決めになったことです。どうぞリベカをイサク様の花嫁にしてください」と言いました。リベカも「行きます」と答えました。「あなたが数限りない人々の母となりますように」と家族からの祝福を受け、リベカはカナンへ出発しました。
イサクは、ラクダに乗って近づく花嫁リベカの姿を見つけました。花婿イサクの姿を見たリベカはラクダからおりて挨拶をしました。二人は結婚し、母親を失ったイサクの寂しさは癒やされました。
イサクとリベカは長い間子宝に恵まれませんでした。二人は手を取り合って神様に祈りました。その祈りを神様が聞かれたので、彼らはやっと赤ちゃんを授かりました。どうやら双子のようです。リベカのおなかの中で互いに押し合っています。それがあまりにも激しいので不安になったリベカは「わたしはどうなってしまうのでしょうか」と神様にたずねました。神様の答えはこうでした。「あなたのおなかの中には二つの国民がいます。一つの民はもう一つの民より強く、兄は弟に仕えるでしょう」。リベカはそのことばを心にとめました。
月が満ちて双子が生まれました。兄はとても毛深い赤ちゃんでした。名前をエサウと付けました。弟は兄のかかとをつかんで生まれてきました。名前をヤコブと付けました。やがて兄のエサウはたくましく成長し、猟のうまい人になりました。弟のヤコブはおだやかな人に成長しました。母リベカは弟ヤコブを大切にしました。